国土交通省は2020年2月20日までに、日本のオープンイノベーションを推進するための「日本オープンイノベーション大賞」の第2回目の審査結果を発表した。国土交通大臣賞には「全国対応、軽貨物の当日緊急配送を実現する“モノのMaaS”実現」という取り組みが選ばれた。
日本オープンイノベーション大賞は、今後のロールモデルとなるような取り組みを称えて表彰するもの。受賞者はIT物流ベンチャーであるCBcloud株式会社(本社:東京都千代田区)の代表取締役である松本隆一氏のほか、佐川急便とANA Cargoの計5人となっている。
▼受賞者は以下の通り
松本隆一(CBcloud 代表取締役 CEO)
米倉康雄(佐川急便 東京本社営業部営業課長)
末原聖(ANA Cargo 常務取締役)
中野勝暁(ANA Cargo 国内貨物販売部販売計画課長)
皆川拓也(CBcloud 執行役員)
CBcloud社は、フリーランスドライバーや一般貨物自動車運送事業者と荷主を即座につなぐ配送マッチングプラットフォームである「PickGo」を展開している。今回受賞対象となった取り組みでは、この「PickGo」が活用されている。
佐川急便とは顧客を対象とする軽貨物チャーター運送業務で、ANA Cargoとは国内主要7空港と全国の陸路をつないだ「空陸一環輸送」のサービスの提供でそれぞれ協業している。
審査では、運送業界が抱えるドライバーの労働環境の改善や業務の効率化に向け、ITの力を活用しながら企業の垣根を越えて取り組みを推進したことが評価された。
■受賞した配送マッチングプラットフォーム「PickGo」って?
「PickGo」は物を送りたい人と運んでくれる人を直接つなぐマッチングプラットフォーム。取り扱いが難しい大型荷物などを当日中に搬送しなければならないケースなどでも利用価値が高い。
物を送りたい人はウェブ上で集荷地点と配送先を入力して同サービスを利用する。当日配送のほか「24時間」「全国対応」などが同サービスのPRポイントと言える。
CBcloud社は、荷主とドライバーを直接つなぐことにより、他にはないスピード感と配送品質を実現できたことを説明している。梱包や伝票作成が不要であることも特徴で、搬送を依頼したドライバーの現在地や配送状況などがリアルタイムで確認できることを評価する声も多い。
同社によれば、2019年10月時点でのドライバー登録数は1万5000人以上で、配送マッチング率は99.2%だという。
【参考】関連記事としては「「物流版ウーバー」の異名…PickGo、登録ドライバー数1万人に」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)