ダイハツ工業とNTTドコモ、青山社中は新潟県妙高市とともに、軽トラックに搭載可能なワーケーション用オフィスの実証実験を2021年1月12日から妙高市で開始すると発表した。
実証実験は、新型コロナウイルス感染症の流行によりテレワークが拡大していることや、国がワーケーションによる観光市場の拡大を推進していることなどを受け、実施される。
ちなみに今回の取り組みは、人材育成などを手掛ける青山社中が企画・運営支援を行った官民連携プラットフォーム「みょうこうミライ会議」で提言された施策の1つだという。
■好きな場所で好きな時間に
実証実験では、一般利用者にモバイルワークステーションを搭載した軽トラックの貸し出しサービスを行い、好きな場所で好きな時間に働ける新たな働き方の有効性と課題を検証する。機能性の改善や無人での貸し出し、無人決済の導入なども進める。
実証期間が2021年1月12日から3月31日までと冬季であることから、ターゲットはスキーやスノーボード愛好家とし、妙高市内のスキー場などでのワーケーションを推進する。仕事の息抜きにスキーをしたり、ナイター設備のあるスキー場で星を見ながら仕事をしたりできるというのがメリットだ。
■自動運転時代には人気サービスに!?
ちなみに、軽トラックの後ろを極少オフィスにするという試みは、自動運転時代には人気サービスとして発展する可能性がある。
なぜなら、「自動運転軽トラに家まで迎えに来てもらって、仕事をしながら山や海まで移動してもらい、その場所で癒されながら仕事をして、仕事にめどがつきそうな時間に自宅まで戻ってもらう」・・・といった利用ができるからだ。これなら、移動中の全ての時間を仕事に充てられ、タイムパフォーマンスも良い。
しかも自動運転車は運転手が必要無い分、従来のタクシーなどに比べて移動コストが10分の1以下まで下がると言われていることから、利用者が支払うサービス料金も一定程度安く抑えられる可能性が高い。
今回の実証実験は自動運転車で行われるわけではないが、ついつい自動運転ラボとしてはこのような将来像を想像してしまう。未来の自動運転時代にもつながる得る取り組みとして、ぜひ実証実験の結果に注目したいところだ。
【参考】関連記事としては「移動ホテル、車の”可動産”化…自動運転社会で新たに登場しそうなビジネスは何?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)