自動運転やMaaSなどの革新を推進する企業横断型組織である「MONETコンソーシアム」は、2020年10月から11月にかけて、LINEやIBM、村田製作所、キヤノン、マップルといった企業が新規加盟したことを発表した。
MONETコンソーシアムは、ソフトバンクとトヨタ自動車などの共同出資会社であるMONET Technologiesが設立した団体だ。業界横断型で移動における社会課題の解決や、MaaSの事業開発を推進している。
最近は主にオンラインで加盟企業のプレゼンテーションを行うミートアップイベントを定期的に行っている。
2020年10月、11月は18社の新規企業の加盟があり、タクシー会社など実際に交通サービスを運営する企業も多いものの、ITやAI(人工知能)、電子部品製作などを事業領域をする企業の参画も目立った。
■MaaS領域への参入を狙う企業が続々加盟
名だたるIT系企業も今回の加盟企業として名を連ねている。日本では多くのユーザーを誇るLINEもその1つだ。
LINEは福岡市で観光型MaaSの実証実験に取り組んでおり、LINEアプリだけでMaaSが実現できる仕組みを構築しようとしている。すでに広く使われているアプリであるだけに、実用化すれば多くの人がこの仕組みを利用する可能性がある。
今回はIBMもMONETコンソーシアムの仲間として加わった。IBMでは「移動体」すなわちモビリティとのデータ連携を実現するクラウド基盤を提供している。自社事業との親和性を考えて、MONETコンソーシアムに参画したものとみられる。
村田製作所もMONETコンソーシアムに新規加盟した。同社はMaaSを支える自動運転技術に力を入れており、高性能センサーの開発に注力している。パイオニアと3D-LiDAR(ライダー)の共同開発に取り組むキヤノンも今回新たにメンバーに加わった。
■加盟者数はさらに増加、業種も多様化
このようにMONETコンソーシアムの加盟企業の業種は非常に幅広い。つまりそのことは、MaaSはさまざまな業種を巻き込むものであるということを示している。
現在637社が加盟しているMONETコンソーシアムは、加盟社数の増加はもちろん、加盟企業の業種もますます多様化していきそうだ。
【参考】関連記事としては「MaaSとは?2020年代に実用化!意味や仕組みまとめ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)