国土交通省はこのほど、「自動運行装置」に関する国際基準を国内の保安基準に導入するため、道路運送車両の保安基準や細目を定める告示などの一部改正を行ったことを発表した。
今回の改正は、国際連合の「欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム」(WP29)において、以下が新たに採択されたことを踏まえたものだ。
- 高速道路等における運行時に車両を車線内に保持する機能を有する自動運行装置に係る協定規則(第157号)
- サイバーセキュリティシステムに係る協定規則(第155号)
- プログラム等改変システムに係る協定規則(第156号)
- 後面衝突時の燃料漏れ防止及び電気自動車に係る協定規則(第153号)
■自動運行装置を備える自動車以外でもセキュリティ基準を適用
特に注目すべき点は、自動運行装置を備える自動車に適用しているサイバーセキュリティ基準とソフトウェアのアップデート基準を、自動運行装置を備えていない自動車にも将来的に適用するという点だ。
適用の時期は、無線によるソフトウェアアップデートに対応している車両の場合は2022年7月から順次、無線によるアップデートに対応していない車両の場合は2024年1月から順次となっている。
■自動運転開発、国の規則の理解必須
自動運転の開発にあたっては、当然ながら国の規則に則った仕様が求められる。自動運転ラボでは「自動運転と法律・ガイドライン、日本の現状まとめ」の記事で日本国内における関連法やガイドラインについて説明しているので、参考にしてほしい。
ちなみに今回の国土交通省の発表については、以下から確認が可能だ。
▼自動運転技術に関する国際基準等を導入します~道路運送車両の保安基準等及び保安基準の細目を定める告示等の一部改正について~
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000242.html
【参考】関連記事としては「見えない故障を発見!2024年、車検が自動運転車対応型に 国土交通省が発表」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)