東日本旅客鉄道株式会社(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長:深澤祐二)=JR東日本=は2020年11月18日までに、新幹線E7系で自動運転の試験を行うことを発表した。
新幹線E7系を使用した試験走行を「新潟駅〜新潟新幹線車両センター」間の約5キロで行い、新幹線の自動運転に必要な技術を検証するという。試験日程は2021年の10〜11月頃の予定とされている。
JR東日本はグループ経営ビジョン「変革2027」の中で、ドライバーレス運転の実現を目指すことに言及しており、自動列車運転装置(ATO)の開発に取り組んできた。その開発を前進させるための取り組みの一環として、今回の走行試験が行われる。
具体的には今回の試験走行では、ATO機能について以下の4点が検証されるという。
- 列車の準備が整ったことを条件に、遠隔で発車させること
- ATOが自動的に列車の加速・減速を行うこと
- 自動で決められた位置に停車できること
- 緊急時には遠隔で列車を止めることができること
また、同時期にローカル5Gを利用して高精度映像をリアルタイムで伝送する技術などの試験を行い、鉄道における5Gの可能性も検証するという。
■難易度は低いものの、安全対策の重要性は自動車を同じ
自動車の自動運転化が注目されている中、電車の自動運転に向けた取り組みも加速している。JR東日本は2018年12月と2019年1月にも、E235系を使用した自動運転試験を山手線で行っている。
JR東海も新幹線の自動運転化に前向きだ。2027年の開業に向け開発を進めるリニア中央新幹線には自動運転システムが導入される予定だ。JR九州も在来線に自動運転システムを導入する計画を立てている。また、東京都の「ゆりかもめ」や横浜を走る「シーサイドライン」などでは既に自動運転化が済んでいる。
ただシーサイドラインでは2019年6月に逆走事故が起きたこともあり、自動車と同様に電車の自動運転でも事故防止策が非常に重要であることは言うまでもない。それは新幹線E7系でも同様で、どのような安全対策が施されていくのかにも注目が集まる。
【参考】関連記事としては「自動運転の「シーサイドライン」、勝手に逆走 骨折の重傷者6人、ATOで制御」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)