中国通信大手の華為技術(ファーウェイ)は、ドイツのミュンヘンで2021年9月7〜12日に開催されたモーターショー「IAA MOBILITY 2021」において、インテリジェントオートモーティブソリューション、つまり自動車の最先端技術を披露した。
具体的には、フロントガラスをスクリーン化して運転に必要な情報を表示したり、自動車から自宅の家電を制御したりと、ファーウェイが考える未来の自動車の姿を、来場者に向けてアピールした。
■フロントガラスにさまざまな情報を投影!
フロントガラスをディスプレイ化する構想は、手動運転の安全度を高めることにつながる。ファーウェイはフロントガラスを高精度スクリーン化し、AR(拡張現実)技術によってさまざまな情報を投影するという。
例えば以下の画像を見てほしい。前方の自動車との車間距離が「80m」と表示されている。このように、安全運転に資する情報をフロントガラス上に表示するわけだ。
報道発表によれば、悪天候下での運転時には、高精度センサーで検知した歩行者や車両、障害物などの情報をスクリーンに投影するようだ。そうすれば大雨によって前方の状況が肉眼で見えにくくても、衝突事故などのリスクを抑えることが可能だ。
また、フロントガラスに時速や目的地などの距離も表示させれば、運転手が目線をスピードメーターやナビなどに向けずに前方を見続けることができる。
■通信技術で車両と自宅をつなぐことも可能に
そのほか、車両に通信技術を搭載することによって、車両と自宅をつなぐことも可能だという。例えば、家に近づいた段階で自宅のエアコンのスイッチをオンにし、涼しい部屋に帰宅できるようにすることも可能なようだ。
また、自動運転技術についても継続して開発を続けているようだ。ファーウェイは中国通信大手だが、中国の高級EV(電気自動車)ブランドに対して自動運転技術を提供することを、2021年4月に発表している。
自動運転車自体の製造・販売はしないと明言しているものの、未来の自動車に搭載可能なソリューションやソフトウェアの開発に余念がないファーウェイ。引き続き、どのようなインテリジェントオートモーティブソリューションを開発していくのか、目が離せない。
【参考】関連記事としては「自動運転、デンソーのライバルにファーウェイ浮上?「車体以外」で勝負か」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)