日経新聞は2020年2月19日、午後6時に連日発信している「イブニングスクープ」として、三菱UFJ銀行が東南アジアのライドシェア配車最大手グラブに最大800億円を出資することを報じた。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(本社:東京都千代田区/代表執行役社長:三毛兼承)はこの報道を受け、「当社から公表したものではありません」と明記したプレスリリースを発表しており、「公表すべき事実が生じた場合は、速やかに公表させて頂きます」としている。
報道によると、三菱UFJ銀行は最大800億円を出資した上で、グラブと資本業務提携するという。出資比率については「数%になるとみられる」と報じられている。業務提携によって両社は、グラブの顧客に対してスマートフォンアプリで融資や保険などに関するサービスを提供することを検討しているという。
■東南アジアで多くの顧客を抱えるグラブ
グラブはシンガポールに本社を置き、東南アジアで広く自家用車やオートバイを使ったライドシェア事業などを展開しているほか、配送サービスや決済サービスも手掛けている。その顧客数は1億人以上に上るとされ、東南アジアにおける認知度は非常に高い。
グラブの大株主としては、孫正義氏が率いるソフトバンクグループなどが挙げられ、米調査会社のCBインサイツによれば企業価値は143億ドル(約1兆6000億円)に上る。企業価値が100億ドルを超える「デカコーン」と呼ばれる非上場企業は世界的にも少なく、グラブはその1社だ。
グラブが東南アジアで多くの顧客を既に獲得していることは、三菱UFJ銀行側にとっては金融サービスを提供する上で大きなメリットであると考えられる。三菱UFJ銀行側が今後詳しいことを発表するのか、注目しておきたいところだ。
【参考】関連記事としては「配車大手グラブの企業価値、1.5兆円に ビジョン・ファンドが1600億円を追加出資」も参照。