レンタルサーバー大手のGMOクラウド株式会社(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長:青山滿)は2019年12月19日までに、IoTソリューションを活用した「コネクテッドカー」に関連する事業を、総合商社の双日との合弁会社として運営されるGMOモビリティクラウド株式会社へ承継すると発表した。
その上で、後付け車載コネクターを通じた車両状態の自動解析と遠隔診断が行える自動車向けIoTソリューション「LINKDriveシステム」の市場開拓やCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に適応した新ビジネスへの取り組みなどを強化していくという。
GMOクラウドと双日は2018年9月に業務提携契約を結び、コネクテッド関連事業にともに取り組んできた経緯がある。
■市場開拓を強化する「LINKDriveシステム」とは?
LINKDriveシステムは、2017年からGMOクラウドが展開している自動車向けIoTソリューションの総称で、後付けでクルマを「コネクテッドカー化」できるツールだ。一般向けと自動車販売や車のサポートを行う事業者向けの2サービスを展開している。
一般向けの「LINKDrive」は車載コネクタをクルマに装着するとクラウド上に車両データが蓄えられ、マイカーの運転情報やカーコンディションに関する情報がスマホアプリで見られるようになる。整備工場による車両の遠隔診断も受けられるほか、走行距離に応じてポイントを貯められる「クルマイレージ」機能を利用すれば、さまざまなサービスを利用することができる。
事業者向けの「LINKDrive PRO」では、LINKDriveを利用する一般カーオーナーの車両データを店舗の端末でチェックできる。そのため、各顧客に合わせた車検や整備の案内やクーポンの発行が行えるのが特徴だという。
■増えつつある「後付け」製品の開発企業
後付けでコネクテッドカー化が可能な製品を開発しているのは、GMOクラウドだけではない。ほかには例えば、カー用品大手のカーメイトやベンチャー企業のスマートドライブ、カーナビ大手のパイオニアなどが取り組んでいる。
このうちカーメイトは自動車に専用機器を装着すると同社のカー用品などとBluetoothで接続可能な仕組みを開発しているようだ。報道などによると、このコネクテッド機器を経由させることでクルマの所有者がスマホで車両の機能の一部をコントロールできるようになるといい、2021年の発売を目標にしているという。
スマートドライブ社もシガーソケットに専用機器を挿すだけで車両をコネクテッド化するサービスを発表し、話題になっている。
車両を買い換えなくても後付けでコネクテッド化できるツールは、「コネクテッドカーが当たり前」という時代の到来を加速させる。各社の今後の製品開発に要注目だ。
【参考】関連記事としては「【対談】コネクテッドの未来を探る スマートドライブの北川社長と自動運転ラボが対談」も参照。