小田急電鉄株式会社(本社:東京都新宿区/取締役社長:星野晃司)は、2020年7月20日から順次、MaaSアプリ「EMot(エモット)」の電子チケットの種類や機能を拡充すると発表した。
現在、箱根エリアで実施している観光型MaaSの「デジタル箱根フリーパス」に子ども料金や英語バージョンが導入されたり、代表者がまとめて購入したチケットをメールなどで共有できる「チケット譲渡機能」が開始されたりと、より使いやすい仕様へと変わるようだ。
■複合経路検索や電子チケット発行が可能なEMot
小田急電鉄が2019年10月にサービスを開始したEMotは、自社で開発を進めているオープンな共通データ基盤「MaaS Japan」を活用したアプリで、複合経路検索機能や電子チケットの発行機能などが実装されている。
今年に入ってからは、2020年2月に静岡県浜松市で開催されたグルメイベント「はままつスマぐるウィーク」でEMotが採用され、話題となった。
小田急電鉄は「小田急線沿線に限らず全国各地で、日常生活から観光まで多様なシーンで利用できるアプリ開発を進めます」としている。
■小田急が取り組む3つのMaaS実証とは?
報道発表では、前述の観光型MaaSを含め同社が取り組む3つのMaaS実証の期間を延長することも発表された。「観光型MaaS」と「郊外型MaaS」の実証実験は2020年12月31日まで、「MaaS×生活サービス」の実証実験は2020年10月31日まで延長するという。
「観光型MaaS」は前述の通り、箱根エリアで実施されている取り組みだ。Emotの導入で同エリアにおける8種類の乗り降りを自由にできるようにし、Emotを通じて発行される「デジタル箱根フリーパス」を購入すると、温泉や観光移設など70カ所のスポットを優待・割引料金で利用できるようになる。
Emotを活用した「郊外型MaaS」は、神奈川県川崎市にある小田急線・新百合ヶ丘駅の周辺エリアで実施されており、商業施設「新百合ヶ丘エルミロード」で一定金額以上の買い物をすると、新百合ヶ丘駅発着の小田急バスの往復無料チケットが発行されるという取り組みだ。
「MaaS×サービス」の実証実験は新宿・新百合ヶ丘エリアで実施されており、1日1回利用可能な「定額制チケット」を駅構内の特定店舗で販売している。
■MaaS領域への参入企業続々と
MaaS領域には、自動車メーカーや交通事業者、経路検索サービスの提供企業などが続々参入し、各社が競うように、ユーザビリティの向上や機能の拡充、さまざまな交通サービスとの連携拡大に取り組んでいる。
小田急電鉄もMaaSに取り組む企業の1社に数えられ、今回の機能拡充を含め、自社アプリの機能の拡張に余念がない。
【参考】関連記事としては「複合検索…お安い御用!小田急のMaaSアプリがサービスイン その名も「EMot」」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)