「これまでのクルマの概念を超える」ため、2018年に初公開されたトヨタの自動運転EV(電気自動車)「e-Palette」。トヨタはこのe-Paletteの進捗について説明するオンライン発表会を2020年12月22日に開催した。
そしてこの発表会に合わせて公開したYouTube動画から、e-Paletteが将来どう活用されるかというトヨタの構想が明らかになっている。以下のYouTube動画をまず観てほしい。アパレルショップや移動式宅配ロッカーとして活用される事例が紹介されている。
■アパレル店仕様と宅配ロッカー仕様のe-Paletteが登場
早速動画を観てみよう。アパレルショップ仕様の車内には棚が取り付けられ、洋服やバッグ、帽子などが陳列されている。そして商品を購入する際に使用される決済端末も設置されており、店員がいなくても無人で支払いをできるようになっている。
一方、移動式宅配ロッカー仕様の車内にはナンバリングされた大小さまざまなボックスが配置されており、中央上部分にタッチパネルが配置されている。実際に利用する際には、QRコードなどを使って中の荷物を取り出す仕組みとなっている。
動画では携帯端末でe-Paletteを呼び出す様子も紹介されている。この仕組みを使えば、例えばオンラインショッピングの際、自宅近くを周回する宅配ロッカー仕様のe-Paletteを配達先を指定し、荷物が配達されたあとにe-Paletteを呼んで荷物を受け取ることも可能になりそうだ。
■「お店に出向く」機会が減り、「お店を呼び出す」機会が増える
報道発表によると、e-Paletteはバリアフリーデザインによるフラットで広い車内空間を利用し、ホテルや小売店といった多彩な仕様にもカスタマイズできるという。
このような活用法が展開されれば、日常のさまざまなシチュエーションで「お店に出向く」機会が減り、逆に自分の好きな時に好きな場所に「お店を呼び出す」機会が増えることになる。
e-Paletteが実際にさまざまなカタチで活用され始めたら、人々の日常は大きく変わっていきそうだ。
【参考】関連記事としては「トヨタのe-Palette(イーパレット)とは?多目的自動運転EV、MaaS向けなどに」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)