ドイツに本拠地を構える自動車部品メーカーのボッシュは2020年1月29日、決算発表を行った。報道発表によると、2020年は自動運転分野には6億ユーロ(約720億円)以上を投資する意向だ。
報道発表によると、自動運転の目の役割を担う「長距離LiDARセンサー」の生産準備も進めているという。離れた場所にある非金属などでも検知可能で、例えば路上の石も正確に検知できるようだ。
また、自動運転の「脳」の役割を担うAI(人工知能)の開発にも積極姿勢を示した。既に従業員2万人に向けたAI(人工知能)トレーニングプログラムの提供にも着手している。
■自動バレーパーキングやシャトルサービスでも注目
自動運転領域においてボッシュのフットワークは軽い。自動運転車を構成するLiDARなどのセンサー類やAIなどのソフトウェア技術に力を入れているほか、実証実験も積極的に行っている。特に自動バレーパーキングでは世界トップクラスの技術を持ち、既に実証の段階から商用化に取り組んでいる。
2019年12月にはメルセデス・ベンツと協力し、米カリフォルニア州のシリコンバレーで自動運転車両を用いた配車サービスの実証実験を開始した。セーフティードライバー同乗のもと、自動運転シャトルサービスを提供するというものだ。
2019年の東京モーターショーでは「PACE」という新概念を発表して注目を集めた。PACEは「Personalized(パーソナライズ化)」「Automated(自動化)」「Connected(ネットワーク化)」「Electrified(電動化)」を示す造語で、こうした各領域において事業を拡大することを明言している。
【参考】関連記事としては「ボッシュとベンツ、アメリカで自動運転シャトル実証 日本でも続々」「ボッシュの新概念「PACE」、自動運転のほか「パーソナライズ」も」も参照。