公益社団法人「自動車技術会」(所在地:東京都千代田区/会長:坂本秀行)は、2020年3月2日から「第2回自動運転AIチャレンジ」(6月14日開催)の制御部門における予選参加者の募集を開始したことを発表した。
予選の競技は「Autowareオンラインシミュレーション」で、シミュレーション結果におけるランキング上位8チームが6月14日開催の決勝戦に参加する予定となっている。チームエントリー(上限3人)は「https://www.jsae.or.jp/jaaic/rule.html」から可能で、登録締め切りは4月17日を予定している。
予選競技では、オープンソースの自動運転OS「Autoware」で利用可能なオープンソースシミュレータ(LGSVL)をベースにシナリオを構築し、「アクセル制御(前方車両との車間距離維持)」「路駐車両の回避」「信号機認識、発進」の3つのシナリオでシミュレーションを実施する。
参加者はローカルシミュレータでコードを生成・検証後、オンラインシミュレータ上でコードの評価を受け、各シナリオでの採点結果の合計点数でランキングが決定されるという。
決勝では既定の物体認識アルゴリズムを使って自動運転ソフトウェアを制御し、市街地を想定したコースを自動運転で走行してゴール時の残り時間を競う。競技車両には、ヤマハモーターパワープロダクツ社の電動小型低速車両が使用される予定。
【参考】関連記事としては「【大会ルポ】太陽や風も難敵に…「自動運転AIチャレンジ」初開催 Autowareを使って走行精度競う」も参照。
■約500人が来場予定、今年もパネルディスカッション
自動運転AIチャレンジは2019年に初めて実施され、「自動車業界に関わるAIやIT技術者の発掘育成」が目的とされている。
会場は東京大学の生産技術研究所附属千葉実験所(柏キャンパス)で、「認識部門」と「制御部門」でそれぞれ競技が行われる。今回の発表はこの2部門のうち「制御部門」におけるものだ。
大会当日はキーノートセッションとして、自動運転業界の第一線で活躍する人が集う「パネルディスカッション」も実施される。また、自動運転技術のデモンストレーションとして、大会会場の最寄り駅である「柏の葉キャンパス駅」と会場の間で自動運転バスを運行させる予定だ。
後援は、経済産業省や東京大学生産技術研究所、東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構、日本自動車工業会(予定)とされ、当日は学生やエンジニア、自動車産業関係者など約500人の来場を見込んでいる。
自動車工業会は報道発表で「産官学が協力して行うこの大会を起点に、自動車産業のさらなる発展に寄与する枠組みの構築を目指します」としている。
【参考】関連記事としては「【激論・自動運転】「値」で示す法律を、「AIの行儀」も重要 自動運転AIチャレンジでディスカッション」も参照。