国土交通省は2020年5月10日までに、AI(人工知能)を活用した効率的な配車が可能なオンデマンド交通の国の導入支援事業で、支援対象となる6地域・6事業者を決定したと発表した。
国土交通省は地域や観光地での移動手段の確保や充実、公共交通機関の維持と活性化のため、「日本版MaaS」の実現に取り組んでいる。2019年度には、全国19の地域へ地域特性に応じたMaaSの実証実験で支援を進めてきた。
今回支援が決定した6地域・6事業者は以下の通りだ。
- 福島県会津若松市・会津乗合自動車株式会社
- 福井県福井市・福井交通株式会社
- 静岡県下田市・伊豆急東海タクシー株式会社
- 大阪府大阪市・WILLER EXPRESS株式会社
- 広島県広島市・広島電鉄株式会社
- 福岡県福岡市・西日本鉄道株式会社
■AIオンデマンド交通の強みは?
オンデマンド交通は、利用者からのアプリや電話での配車予約に合わせて稼働する交通機関だ。バス停などに行かずとも任意の場所を指定して乗り降りできるため、地域内の移動が全面的にカバーされることが特徴だ。
これにAIの機能が加わると、個人個人のニーズに対応しながら最適な迎車ルートなどがはじき出せるようになり、オンデマンド交通はタクシーと路線バスの長所を兼ね備えた存在となれる。
支援が決定した事業者は、AIオンデマンド交通の実現に必要な出費について国から補助を受けることができるようになる。
具体的には、予約受付システムや運行システムに関する費用、マニュアルの作成や研修費用、車両に搭載する運行管理用機器の導入費用などが対象で、補助率は1/3とされている。
■【まとめ】観光客も喜び、地方難民の課題解消にも
AIオンデマンド交通には、好きなときに好きな場所へ移動したいという個人のニーズを低コストで実現できるという利点がある。観光客にとってもこうした移動手段があることは大きな魅力で、地方における「交通難民」の課題の解消にもつながる。
具体的な取り組みが始まれば、実施結果についても段階的に発表されるはず。今後の発表が楽しみだ。
【参考】関連記事としては「MaaS実現に必須!オンデマンド交通サービスの提供企業まとめ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)