KGモーターズ株式会社(本社:広島県東広島市/代表取締役CEO:楠一成)は、自動運転化を視野に超小型モビリティを開発している。2025年にオリジナルの超小型モビリティを量産販売し、自動運転によるMaaSの展開を目指しているという。
■超小型EV「ミニマムモビリティ」とは
KGモーターズが開発するのは、小型のEV(電気自動車)「ミニマムモビリティ」だ。
原付ミニカー規格のため乗車定員は1名で、センターポジションで走る楽しさを追求している。小型で軽量であるため環境性能に優れている。車検不要で税金も安く、コストパフォーマンスに優れている。
80年代のポラロイドカメラをモチーフにしており、レトロでありつつも近未来を感じさせる前後対称のデザインになっている。ドア・エアコン付きで、AC100Vの家庭用コンセントで充電できる。5時間の充電で航続距離は100キロとなる。また、OTA(Over The Air)でのソフトウェアアップデートが可能だという。
【参考】関連記事としては「Over The Air(OTA)技術とは?(2024年最新版)」も参照。
■超小型モビリティ開発に特化
2022年7月設立のKGモーターズは「小型モビリティで世界を『ワクワク』させる」をビジョンに、オリジナルの超小型モビリティの製造販売やMaaS事業の展開を目指すスタートアップだ。
現代では、人口減少による乗車率の低下により大規模輸送システムを維持することが難しくなってきている。そのため多くの人が自家用車を持つ必要が出てきており、経済的な負担になっている状況にあるという。
ただし同社によると、クルマはほとんどが1人での短距離移動という用途で使われており、無駄なコストと環境負荷が高い状態が慢性化しているという。これを解決するため、1人での短距離移動ニーズに特化して設計されたのがミニマムモビリティだ。環境への影響や経済的な負担を軽減することができる。
将来的には、MaaSの展開を通じて「誰もが、安全に、快適に、手頃な価格で移動できる世界」を目指しているという。
■量産販売を視野に3.8億円を調達
KGモーターズは、プレシリーズAラウンドにおいて、ベンチャーキャピタルや事業会社を引受先とするJ-KISS型新株予約権の発行により3.8億円の資金調達を実施することを2024年3月22日に発表した。
調達した資金は量産車両の開発や人材の獲得などに活用され、2025年のミニマムモビリティの量産販売を目標に事業を進めていくとしている。
1人乗りの超小型EVを開発しているメーカーは少ないため、ニーズ次第で大きく事業が拡大する可能性がある。同社の今後の展開に注目だ。
【参考】関連記事としては「完全自動運転の1人乗りタクシー、広島のベンチャーが展開へ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)