Uber Japan株式会社(本社:東京都港区/代表取締役:代表取締役:セバスチャン・セル ジュ・デュポン)の第11期(2022年1月〜12月)の決算公告が、このほど官報に掲載された。
当期純損失は8,145万円であった。第9期は2,214万円の純損失を計上、第10期は4,208万円の純利益を計上していたため、第11期で再び赤字に転落したことになる。なお、第6〜8期は黒字であった。
■第11期決算概要(2022年12月31日現在)
▼資産の部(単位:円)
流動資産 2,195,394,548
固定資産 795,037,946
その他の資産 430,578,346
資産合計 3,421,010,840
▼負債及び純資産の部(単位:円)
流動負債 2,923,116,889
株主資本 497,893,951
・資本金 18,000,000
・利益剰余金 479,893,951
・・その他利益剰余金 479,893,951
・・(うち当期純損失 81,450,309)
負債・純資産合計 3,421,010,840
■日本でも配車やフードデリバリーを展開
Uber Japanは、米ライドシェア最大手のUber Technologiesの日本法人として2012年に設立された。オンラインタクシー配車サービス「Uber」は2014年から、フードデリバリーサービス「Uber Eats」はUber Eats Japan合同会社により2016年から日本で開始している。
Uber Taxiは15の都道府県で、Uber Eatsは2021年9月から全ての都道府県で利用可能となっている。
国土交通省は2021年10月に、タクシーの「事前確定型変動運賃」の実証実験を行うことを発表しており、Mobility Technologies提供の配車アプリ「GO」とUberが参加事業者となった。Uber Japanでは、タクシー事業者12社・約1,000車両を対象としていたようだ。
■2023年から新しい動きも
2023年3月からは、Uber Japanとエデンレッドジャパンが業務提携し、エデンレッドジャパンが展開する食事補助ソリューション「チケットレストラン」のユーザーへUber Eatsを介したデリバリーサービスを開始している。
またUberは同年4月から、楽天グループが運営する「楽天ペイ(オンライン決済)」とのサービス連携を本格的に開始した。2022年4月からスタートしたUber Eatsと楽天ペイのサービス連携に続くものだ。また、Uberの決済時には、楽天ポイントを支払いに利用できるようになった。
両社は今後、楽天ペイで決済すると、Uber Eatsなどで特典が受けられるサブスクリプションサービス「Uber One」をよりお得に利用できるキャンペーンを実施する予定だという。
またUber Japanは2023年5〜6月に期間限定で「Uber人力車」サービスを提供した。Uberのアプリ上の車種選択画面に「Uber 人力車」が登場し、画面をタップするだけで簡単に人力車の手配が可能になるというものだった。
■日本法人設立から10年となるUber Japan
今回の決算発表での赤字転落は、昨年から徐々にアフターコロナと呼べる状況となり、外出を控えていた人々が外出・外食を再開し、フードデリバリーに頼らなくなってきたことも影響しているのだろうか。
ちなみに、本体である米Uber Technologiesが2023年5月2日に発表した2023年第1四半期の業績は、市場予想を上回り好調で、配車サービス部門は72%の増収、フードデリバリー部門は23%の増収となっている。
日本法人設立から10年となるUber Japan。今後の展開にも引き続き注目したい。
※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。
【参考】関連記事としては「コロナ禍前から利益87%減!Uber日本法人の2021年決算」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)