米EV(電気自動車)大手テスラが「完全自動運転ソフト」を称して展開する「FSD(Full Self-Driving)」のβ版が、オーストラリアなどでインストールされたことが発見されており、「海外展開がいよいよ本格的に始まったのでは?」とTwitterなどで話題になっている。
2023年5月25日、FSD β版がオーストラリアのキャンベラでインストールされたとのTwitterの投稿があり、テスラ分析アカウントのTeslascopeもインストールを検出した地域として、ドイツとベルギー、オーストラリアが出てくることを画像付きで紹介している。
これが事実だとすれば、FSDのβ版が北米以外の国で初めてインストールされたことになる。
■ドイツとベルギーでも?
Teslascopeはテスラ車オーナーのための外部ウェブアプリで、これまでさまざまなテスラの分析などを行ってきたほか、リーク情報などをツイートすることで知られている。
TeslascopeがTwitterで投稿したスクリーンショットによると、ある時点でのFSD β版の国別インストール数は、米国129件、カナダ3件に続いて、ドイツとベルギー、オーストラリアでそれぞれ1件となっている。また、国名不明で2件のインストールも確認されている。
■「中国で展開始まる」との噂も
FSD β版については、テスラの幹部が2022年9月に「年内(2022年)に世界展開の準備が整うはず」と語っていた。また同社CEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏は2023年5月に、「FSDが現地の一般道で問題なく機能することを確認し、その国の規制当局が承認したあとで、世界各地に拡大する」と発言している。また最近はFSD β版の大規模テストが中国で始まるとのうわさも出ていた。
しかしFSD β版を展開するためには、各国の規制当局の承認が必要であり、特に欧州各国は運転支援機能に関する規制が厳しいことから、導入は難しいとされていた。
今回、欧州やオセアニアでもインストールが確認されたことで、ついに世界展開が始まったということなのだろうか。マスク氏の反応を待ちたい。
【参考】関連記事としては「テスラ、「FSD β版」を世界展開へ!自動運転機能は未実装」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)