ANAホールディングス(ANAHD)傘下のavatarin株式会社(本社:東京都中央区/代表取締役CEO:深堀昂)はこのほど、シリーズAラウンドで20億円の資金調達を実施したことを発表した。
日本政策投資銀行と三菱UFJ銀行を引受先とする第三者割当増資によるもので、これによりANAHDからの出資額と合わせた累計調達額は40億円になるという。
avatarin(アバターイン)は、アバター事業を手掛けるスタートアップだ。同社は、肉体の移動ではなく、あらゆるロボットやモビリティに人の意識や技能、存在感を伝送する新たな移動サービスの普及に取り組んでいる。
■ANAHD発のスタートアップ
avatarinは、遠隔AI(人工知能)モジュールなどを通じて、遠隔操作の高速化や遠隔操作からのAI化を手掛けている。2020年4月にANAHDにより設立された。
avatarinが開発している遠隔AIロボット「newme(ニューミー)」は、遠隔地で自由に行動できる、いわば自分の分身(アバター)になるという。これまで移動に時間がかかったり、移動したくても時間が無かったりという移動にまつわる悩みを一気に解決できる次世代型のソリューションとして注目を集めている。要はプラットフォーム「avatarin」を介して、体を移動させずに人の意識と存在感を伝送する新たな移動手段だ。
すでに2021年から導入が開始されており、企業の受付やキャリアセンターでの学生の遠隔サポート、イベントでの遠隔散策などに活用されている。今後、空港やホテル、病院、役所、駅、コンビニなど、サービス案内業務や誘導などが必要な現場を中心に展開していくようだ。
■アバター技術がモビリティ業界にも
avatarinが開発中のアバター技術は、アバターコアハードウェアとソフトウェアの連携が特徴的だ。今後は、さまざまなロボットや自動運転、ドローンなどのモビリティなどに搭載していき、遠隔からの超低遅延リアルタイム制御を実現するとともに、その遠隔操作から得られた情報を基にAI学習をさせて、人の能力を拡張することを目指すという。
自分が移動するのではなく、アバターが移動する……。モビリティの新しい可能性が開けてきているのを感じる。
【参考】関連記事としては「J-Startup 2023における最重要「モビリティ系企業」一覧」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)