ネット事業を中心にビジネスを多角化する楽天グループ。同社は自動運転事業も展開している。その事業の取り組みの1つが、自動配送ロボット(UGV)を活用した配送サービスで、すでに定常的にサービスを提供していることをご存じだろうか。
■茨城県つくば市で楽天がサービス展開
楽天グループがこのサービスを提供しているのは、茨城県つくば市だ。雨の日も夜間もサービスを帝京しており、西友とスターバックスから商品を、毎日、周辺にある集合住宅や戸建て住宅地、オフィス、公園などまで届けている。
以下は楽天が公表しているサービス地図で、西友とスターバックスのほか、配送先が色分けした丸印でプロットされている。紺色の丸が集合住宅、ピンク色の丸が戸建て住宅地、黄土色の丸がオフィス、緑色の丸が公園・広場を示している。
このサービスでは、利用者がスマートフォンで対象店舗・対象商品を注文すると、自動配送ロボットが店舗を出発して公道を走行し、注文主のもとまで届けるという仕組みだ。
注文主はアプリでロボットの位置情報を確認でき、到着が近づくとアラートも届く。商品を受け取るときは暗証番号を入力すればOKだ。サービス内容については、以下の図を参照してほしい。
■配送料は「1回110円」、相場はいくらに?
上記の表をみて、「配送料」に目がいった人もいるはずだ。
楽天グループが提供しているこの自動配送ロボットでは、1回の配送料金が110円となっている。まだこうしたサービスは国内でも珍しいため「相場」は確立されていないが、先行者の価格設定は今後の相場形成に大きな影響を与える可能性がある。
もちろん、配送の距離や常温配送・冷蔵配送・冷凍配送などによっても変わってくるとは思うが、自動配送ロボットによる配送料金の相場がいくらぐらいになっていくのか、注目したいところだ。
【参考】関連記事としては「実は役立たず?米Amazon、自動配送ロボの公開テスト中止」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)