東京地下鉄(東京メトロ)と東京都交通局は2022年10月18日までに、MaaSの取り組みとして、「東京の地下鉄と連携した人力車・水上タクシーの利用予約」の提供を共同でスタートした。
近年、MaaS(Mobility as a Service)導入の流れが加速する中、複数の交通手段を1つのアプリで予約できるシステムが増えている。今回の取り組みもこうした流れをくんでいる。
具体的には、東京メトロと東京都交通局がそれぞれ公式アプリとして展開している「東京メトロmy!アプリ」「都営交通アプリ」を使えば、人力車や水上タクシーを予約できるようになった。日時やコースを選択し、利用する。
■大都市型MaaSの実現を目指したい考え
今回連携する運営事業者は、人力車の「時代屋」と、水上タクシーの「東京ウォータータクシー」だという。
人力車や水上タクシーの遊覧コースの発着地点は地下鉄の駅からのアクセスが良く、それらの運営事業者と連携することで東京観光の幅を広げ、東京都心部の大都市型MaaSの実現を目指したい考えだという。
ちなみに東京メトロは同社のMaaSアプリ「東京メトロmy!アプリ」を、2021年1月に統合・アップデートしている。機能やデザインのリニューアルはもちろん、新たにタクシーアプリ「GO」との連携もスタートさせた。鉄道公式アプリとして初めて経路検索の結果を引き継いでGOを起動できるようになった。
■東京でのシェア争い、今後の激化は必至
MaaSアプリは全国各地域で各社が展開し始めており、特に日本の首都である東京でのMaaSアプリのシェア争いは今後激化していくのは必至だ。
例えば、JR東日本が東京23区を中心に交通系ICカードSuicaと連携して展開している「Ringo Pass」や、全国展開に向けて10県で展開している事業拡大中のトヨタのMaaSアプリ「my route」などが、東京メトロなどのライバルとなっていきそうだ。
元祖MaaS企業とも言えるフィンランドの「MaaS Global(マース・グローバル)」もすでに日本に進出しており、同社が提供するMaaSサービス「Whim(ウィム)」がどのように日本で展開されるのかも気になるところだ。
「東京×MaaS」のニュースは、今後も確実に増えていく。
【参考】関連記事としては「MaaS解説(2022年最新版)」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)