2023年の1〜2月ごろ、東京都内である自動運転実証が行われることが決まった。「歩⾞混在」のお台場の遊歩道などを⾃動運転バスが⾛⾏するという実験で、実施企業はソフトバンク子会社のBOLDLYと、高速バス大手のWILLERとなっている。
■仏製の自動運転バス「ARMA」が走行
このプロジェクトは、東京都の「令和4年度 臨海副都心における自動運転技術を活用したサービス構築に関するプロジェクト」によって選定されたもので、実施予定期間は「2023年1⽉から2⽉までの間で2週間程度」とされている。
実施場所は臨海副都⼼エリアの「シンボルプロムナード公園内」で、仏NAVYAの小型自動運転バス「ARMA(アルマ)」が使用される。ARMAは、運転席が無い車両となっている。ただし、手動運転モードではコントローラーで人による操作も可能だ。
注目したいのが、果たして歩⾞混在環境において自動運転バスが走行して、そのエリアを歩く人たちはどのようなこと感じるのかだ。「怖い」と感じるのか、「便利」と感じるのか・・・。こうした「社会受容性」に関する調査も行われる予定だ。
歩⾞混在の環境下で、急な飛び出しや進路変更をする歩行者、また子どもや高齢者といった交通弱者にどう自動運転バスが対応するのかに注目が集まる。
■東京大学発ベンチャーによる公道実証も
東京都の「令和4年度 臨海副都心における自動運転技術を活用したサービス構築に関するプロジェクト」では、もう1件のプロジェクトが選定されている。東京大学発ベンチャーの先進モビリティが計画した「自動運転バスによる臨海副都心回遊性の向上プロジェクト」だ。
このプロジェクトも2023年1〜2月の2週間程度、臨海副都心エリアにて実証実験が行われる予定となっている。中国EV大手BYDの自動運転バスを用いて短中距離の運行を行い、臨海副都心エリアの移動の利便性向上や公道での社会受容性向上などを検証するという。
臨海副都心はこれまでもたびたび自動運転実証の舞台となってきた。2023年になっても、その流れは続きそうだ。この記事で紹介した両方の実証実験の実施によってどのような成果が出るのか、期待したい。
【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転EV「e-Palette」が東京臨海副都心を走る!2022年2月17日から」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)