「大日本印刷」(DNP)と聞くと、モビリティとは無関係に感じる人も多いかもしれないが、実は大いに関係がある。同社は移動最適化サービス「DNPモビリティポート」の開発を進めており、導入事例がどんどん増えている。
2022年8月8日からは、愛知県春日井市東部の高蔵寺ニュータウンにおける「交通結節点のスマート化によるにぎわいのある安心安全なまちづくり」の共同実証で、DNPモビリティポートを提供することを発表した。
■持続可能なまちづくりを支援
「DNPモビリティポート」とは、住民や観光客など老若男女問わず、誰でも利用しやすい環境を作って周遊を促す「移動最適化サービス」だ。DNPは2022年度に春日井市未来技術地域実装協議会に加入し、「交通結節点のスマート化」という新テーマを加え、誰にとっても暮らしやすい持続可能なまちづくりを支援していくという。
今回の共同実証では、商業施設にDNPモビリティポートのコミュニケーション端末を設置して、デマンド乗合タクシーを手配したり、周辺の地域情報を発進したりする。商業施設の店舗などの広告やクーポンサービスとも連動するようだ。これまで同社が各地で実証を進めてきた個々の機能をまとめて提供する。
実証でDNPモビリティポートを提供するのは2022年8月8日〜9月2日の期間で、高蔵寺ニュータウンにある商業施設「アピタ館」で実施される。駐車場側のコンコースと中央台バス停入口の計2カ所に、コミュニケーション端末が1台ずつ設置される。共同実証の結果は、同地域の「高蔵寺スマートシティプロジェクト」に反映される予定のようだ。
■コミュニケーション端末の3つの機能は?
DNPモビリティポートのコミュニケーション端末では、以下の3つの機能が備わっている。1つ目は「循環バスやデマンド乗合いタクシーのリアルタイムな車両位置情報の表示」、2つ目は「高齢者にも分かりやすいデマンド交通の予約」、3つ目は「SNSに対応した、見やすく・直観的にわかりやすい地図をベースとした『DNP MAPベース地域情報発信プラットフォーム』での地域情報・店舗情報の提供」だ。
なお、高蔵寺スマートシティプロジェクトとは、春日井市とUR、名古屋大学と民間企業が中心の産学官連携で、「地区内自動運転サービスやAIオンデマンド交通を含むニュータウン型MaaSの構築とスマートシティの実現」を目指し活動しているものだ。全国で2,000地区以上あるニュータウンへの展開を見据えているという。
■さまざまな企業にチャンスがある
モビリティに関するさまざまな革新が起きようとしている現代、さまざまな企業にモビリティ業界で成功するチャンスがある。「交通結節点のスマート化」というテーマに取り組む大日本印刷にも追い風が吹いている。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマ企業SkyDrive、MaaSサービスで大日本印刷とタッグ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)