トヨタコネクティッド株式会社(本社:愛知県名古屋市/代表取締役社長:山本圭司)の第22期(2022年3月期)決算が、このほど官報に掲載された。
第21期と比較すると、売上高は8.9%増の591億5,777万円、当期純利益は36.3%増の49億4,048万円で、第21期に引き続き増収増益だった。
【参考】関連記事としては「トヨタコネクティッド、増収増益!2021年3月期決算、取り組んでいる事業は?」も参照。
記事の目次
■決算概要(2022年3月31日現在)
賃借対照表の要旨(単位:千円)
資産の部
流動資産 46,387,567
固定資産 7,493,167
・有形固定資産 855,881
・無形固定資産 944,042
・投資その他の資産 5,693,243
資産合計 53,880,734
======
負債及び純資産の部
流動負債 38,801,597
・賞与引当金 612,414
・役員賞与引当金 42,134
・製品保証引当金 43,930
・その他 38,103,115
固定負債 636,775
・退職給付引当金 296,007
・役員退職慰労引当金 64,774
・その他 275,994
負債合計 39,438,373
——
純資産の部
株主資本 14,442,361
・資本金 650,495
・資本剰余金 650,495
・・資本準備金 650,495
・利益剰余金 13,141,371
・・その他利益剰余金 13,141,371
純資産合計 14,442,361
負債・純資産合計 53,880,734
損益計算書の要旨(単位:千円)
売上高 59,157,777
売上原価 48,499,117
売上総利益 10,658,659
販売費及び一般管理費 3,847,807
営業利益 6,810,852
営業外収益 286,770
営業外費用 30,238
経常利益 7,067,384
特別損失 11,557
税引前当期純利益 7,055,827
法人税、住民税及び事業税 2,921,520
法人税等調整額 △806,177
当期純利益 4,940,484
■トヨタコネクティッドの沿革
トヨタコネクティッドはトヨタ自動車のコネクティッド分野の戦略事業会社で、2000年に設立された。設立当時の社名は「ガズーメディアサービス株式会社」で、2017年に現在の社名に変更された。企業理念は「限りなくカスタマーインへの挑戦で新たなモビリティサービスを創る」だ。
2013年に超小型EV(電気自動車)シェアリングサービス「Ha:mo(ハーモ)」のシステム運用を、2014年にテレマティクスサービス「T-Connect」の提供を始めた。2016年にはトヨタが「コネクティッド戦略」を発表し、トヨタコネクティッドは多様なモビリティサービスとの接続機能を備えた統一プラットフォーム「MSPF(モビリティサービス・プラットフォーム)」の構築・運用を開始した。
国内のほか北米や中国、タイ、インド、英国に拠点を持っている。
■「MaaS事業」など4つの事業を展開
事業領域としては、社会課題をモビリティで解決すべく、4つの事業を展開している。1つ目はMaaS事業で、ビッグデータ活用基盤の構築やソリューションの開発、提供を行い、新しいモビリティサービスの創出に貢献している。
2つ目は安心安全かつ快適で便利なドライブ体験を提供すべく、車両データを活用したコネクティッドサービスを開発、提供するコネクティッド事業だ。3つ目はディーラーインテグレーション事業で、セールスからアフターサービスまでを一貫してサポートするITソリューションを開発・導入し、パーソナライズされたおもてなし体験を提供している。
4つ目はデジタルマーケティング事業で、ウェブサイトの制作やデータ分析、リアルなイベントとの連携、Eコマースなどのマーケティングソリューションを提供している。
2020年4月には、スマートシティ構想を視野に入れたMSPFの機能強化やビッグデータなどの管理・運用体制の拡充、コネクティッドカーの世界展開などを目的に、NTTデータとの業務提携をスタートさせている。
■トヨタ本体と同様に決算に注目を
普段はあまり表に出てくることのないトヨタコネクティッド。しかし、トヨタのコネクテッド戦略やスマートシティ構想において、コネクティッド技術やビッグデータの分析などで存在感を高めている。
トヨタ自動車本体と同様に、トヨタコネクティッドの決算状況もしっかりと把握しておきたい。
※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。
【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転戦略(2022年最新版) 車種や価格は?レベル3〜4はいつ実現?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)