経済産業省と国土交通省が2030年代の実用化に向けたロードマップを作成するなど、注目が増す「空の移動サービス」。民間企業によるエアモビリティの開発は、この目標の実現に向けて必要不可欠な要素だ。
そんなエアモビリティの開発企業に投資をしているファンドの1つが、ドローン・エアモビリティ専門投資ファンドであるDRONE FUND(本社:東京都渋谷区/代表:千葉功太郎、大前創希)だ。2022年6月1日に設立5周年を迎えたという。
これまでの投資先は国内外で54社に上り、その中には「空飛ぶクルマ」の有力スタートアップである日本のSkyDriveやテトラ・アビエーションも含まれている。
■設立5周年を迎えたDRONE FUND
DRONE FUNDは2017年に設立された2018年には1号ファンドの投資先の1つであるACSL(日本のドローン開発メーカー)が株式上場を果たした。
その後、2号ファンドではドローンのほか、空飛ぶクルマや海洋ロボット分野への投資、3号ファンドでは関連分野のスタートアップなどへの出資も行うなど、活動を広げている。
5周年の節目を迎え、DRONE FUND代表の千葉氏は「世界でドローン・エアモビリティ産業を代表するベンチャーキャピタルの地位を確立することができた」とコメントしている。
もう1人の代表の大前氏は、2022年は「レベル4フライト解禁」の年でもあることに触れ、「日本の空の新たな幕開けに貢献できるよう、これからも精進していく」と意欲を見せている。
【参考】「レベル4フライト解禁」については、首相官邸の公式サイトで公開されている「空の産業革命に向けたロードマップ2021」を参照。
■投資先企業の動向
DRONE FUNDが投資するSkyDriveとテトラ・アビエーションの取り組みを、サマリー的に説明しておこう。
SkyDriveは2020年8月に日本初の有人飛行に成功し、国内外から高い注目を浴びた。2021年9月には、阪府・大阪市と「空飛ぶクルマ」実現に向けた連携協定を締結し、2025年に開催される大阪・関西万博でのエアタクシーサービスの実現を目指している。
また、空飛ぶクルマとして日本で初めて、安全基準を満たしていることを証明する形式証明の申請が2021年10月に国土交通省に受理されるなど、行政も取り組みを後押ししている。
テトラ・アビエーションは、2020年2月に米国で開催された1人乗り航空機開発コンペ「GoFly」において、唯一の受賞者となった。2021年7月には、個人向けの新機種「MK-5」を米国で初公開し、予約販売を開始した。
■新モビリティの今後の展開に注目
都市での移動のほか、交通手段が制限される離島や山間部への移動、災害時の迅速な救助や支援などに活用されることが期待されている空飛ぶクルマ。民間企業が機体の開発を進め、そこに投資マネーも集まっている。新モビリティの今後の展開に注目だ。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)