イギリスであるユニークな実証実験がスタートした。レンタカーをユーザーの玄関先まで自動運転で届ける、という取り組みに関する実験だ。
■乗り終わったあとも「勝手に消える」
この実証実験に取り組むのは、イギリスのミルトン・ケインズに拠点を置くインペリウム・ドライブ(Imperium Drive)というスタートアップ企業だ。
この実験が注目されているのは、レンタカーがユーザー野自宅まで自動運転で届けられることに加え、乗り終わったあとは自動車がレンタカー会社まで自動運転で帰っていくことも目指されているからだ。
報道によると、インペリウム社の共同創業者であるKoosha Kaveh最高経営責任者(CEO)は「自動車を使い終わったあと、自動車は勝手に消えてしまう(disappears by itself)」と説明しているという。
実証実験ではセーフティドライバーが同乗するが、いずれはセーフティドライバーをなしにすることを目指すという。自動運転は、車両に搭載されたカメラやアンテナ、コネクテッド機能によって実現される。ちなみに車両はEV(電気自動車)だ。
特に重要な役割を果たすのがカメラで、4台のカメラを搭載することで車両の周囲360度の状況が常に把握されるようになっているという。最新鋭のコンピュータービジョンによって、危険な状況をリアルタイムで検知することも実現しているようだ。
■実サービスとして商用化できるか注目
ちなみに以下がImperium Driveの公式サイトだ。同社は「Fetch」というアプリでこの取り組みを実現しようとしている。
▼Imperium Drive公式サイト
https://imperiumdrive.com/
レンタカーが自動運転で自宅までやってくる仕組みは、レンタカーを使用したい人にとってはかなり便利なものだ。レンタカー会社まで車両を取りにいく手間がかからなくなるからだ。
インペリウム・ドライブが実証実験を成功させ、実サービスとして商用化にこぎつけることができるか、引き続き同社の取り組みをウオッチしていきたい。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマ向けの「空港」、英国で世界初オープン Urban-Air Portが発表」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)