「自分達の思い通りに動く運転手付きの車」を地域で共有するモデルの公共交通が、愛知県名古屋市でこのほどスタートした。「mobi」という名称のシェアサービスで、コミュニティの住民がお金を出しあい、定額で半径2キロ以内を移動できるようにする仕組みだ。
このサービスをスタートさせたのは、高速バス大手のWILLER、名古屋のタクシー会社である名鉄交通第三、あんしんネットなごやの3社。いわゆる「ちょいのり」を呼ばれる距離を、住民がシェアモビリティを使って移動できるようにする。
料金は30日間定額で5,000円で、家族も登録する場合は1人500円の追加料金で可能だという。
■mobiの主な特徴は5つ
mobiの主な特徴は以下の5つだ。
- ① アプリや電話で簡単に呼べ、エリア内であれば行きたいところへ移動できる。
- ② AIルーティングにより、お客様の予約状況や交通状況を考慮して、最適なルートで相乗りしながら目的地まで移動できる。
- ③ 30日間定額5,000円で乗り放題。同居家族は6人まで登録可能で、1人あたり500円追加で利用できる。
- ④ 固定した数名のプロのドライバーが運行するため、お子様やご高齢の方にも安心。
- ⑤ 住民やそこで働く人達だけでなく、買い物などに来た人達も快適に過ごせるよう、都度支払うこともでき、飲食店などの法人会員の店舗への送迎が無料になるサービスもある。
- サービス提供エリアは名古屋市千種区で、午前7時から午後10時に利用可能だという。車両は8人が乗車可能なワンボックスを使用する。
専用アプリ「mobi Community Mobility」をダウンロードすれば、地図上のピンをタップするだけで乗降地の設定が可能で、乗車前に車両がいる位置を確認できるだけでなく、ドライバーと電話やチャットで連絡できる。
アプリを提供するのはWILLERで、車両の運行は名鉄交通第三とあんしんネットなごやが担う。
■新たな「生活の足」として定着するか注目
mobiは、東京都の渋谷区や豊島区、京都府の京丹後市エリアでもサービスを開始している。マイカーの保有者が少なくなる中、サブスクMaaSサービスとも呼べそうなmobiが各地で「生活の足」として定着していくのか、今後の展開に注目していきたい。
【参考】関連記事としては「MaaSとは?定義や意味は?2021年も各地で実証実験」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)