フランスの自動運転スタートアップ企業であるEasyMile(イージーマイル)は2021年11月23日までに、欧州で初めて公道における「自動運転レベル4」(高度運転自動化)の走行許可を得たと発表した。
EasyMileはフランスで自動運転レベル4の走行許可を得た。報道発表によれば、走行試験によって、EasyMileの車両における技術の信頼性と安全性が確認されたものだという。
今回の走行許可により、自動運転シャトルを使った移動サービスをレベル4の技術水準で、公道で正式に展開できるようになると考えられる。
自動運転レベル4では、あらかじめ定められた特定エリア内において、緊急時においても人が運転を代わることが想定されていない。EasyMileがフランスで得た許可も、セーフティドライバーが乗っていない状態での走行を認めるものだという。
■欧州における有力自動運転シャトル企業
EasyMileは自動運転シャトルを開発する欧州企業の中では、同じくフランス企業のNavya(ナビヤ)とともに存在感が強い企業だ。
EasyMileは2014年に創業し、現在主力の車種として開発しているのが「EZ10」となっている。EZ10は12人乗りの自動運転シャトルで、最高時速40キロで走行することができる。すでに30カ国以上で走行実績があり、さまざまな天候や温度環境にも適用できることも強みだ。
ちなみにEasyMileは2021年に開催された日本の警察庁所管の「自動運転の実現に向けた調査検討委員会」において、自動運転レベル4の走行オペレーションで求められるべき要求事項をまとめ、提出資料として提出している。
詳しくは以下の記事に譲るが、他の車両や歩行者との衝突リスクを抑えることや人の介入を最小限にすること、システムの自動化率を最大化するために何が必要かを、整理して説明している。
【参考】関連記事としては「仏EasyMileの自動運転シャトル、「レベル4」での運行の考え方」も参照。
■さまざまな知見やデータをテコに
EasyMileがフランスでの自動運転レベル4移動サービスを本格展開するようになれば、一層同社においてさまざまな知見やデータがたまり、より安全度が高い自動運転シャトルの開発につながっていくはずだ。EasyMileの動向に、引き続き注目していきたい。
【参考】関連記事としては「世界シェア60%!?自動運転シャトル開発の仏EasyMile、資金増強」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)