英国政府が30年以内に自動運転車以外の公道での走行を禁止する可能性が浮上している。イギリス国内の高速道路管理会社で最高経営責任者(CEO)を務めるジム・オサリバン氏がその可能性について触れており、従来の自動車と自動運転車が混在するままだと、事故の可能性を極限まで小さくすることができないことを指摘している。
オサリバン氏は公道の車両全てが自動運転車になって通信機能を備えれば、そうした機能を持たない車両が公道上から姿を消す分、事故の発生可能性が極めて少なくなると指摘している。同氏はイギリス国内においてその状況が実現するには30〜50年ほどが掛かると予測している。
確かに公道上で通信機能を備えた自動運転車のみしか走行しなくなれば、各車両の位置はクラウド上で完全に把握できるようになる。そして全ての自動運転車がそれぞれの位置関係を正しく認識できることから、事故が発生する可能性が低くことにもつながりそうだ。
さらに、ほかの車両が今後実行する走行動作もリアルタイムに車同士で共有できれば、事故が発生する確率はより下がると考えられる。
現在公道上で乗られている自動車をすぐに走行禁止にすることは現実的に難しいが、自動運転車以外の車両にかかる税金を徐々に上げていくなどして自動運転車が普及するように政府が仕向け、いずれかの段階で自動運転車以外の公道での走行を完全禁止にするという施策が各国で実行される可能性がゼロではない。
【参考】EUは「2030年代」に完全自動運転を実現する工程表を発表している。詳しくは「EUは「2030年代」に完全自動運転を実現 100兆円市場誕生に期待|自動運転ラボ」も参照。