タクシーの中で運転手と世間話をする方も多いだろう。「運転手から穴場スポットを教えてもらった」と得をして人も多いはずだ。
しかし、近い将来登場すると言われる自動運転タクシーが普及するとどうだろう。そこには乗務員がいないため、会話をする相手がいないので、目的地まで無言でタクシーに乗っていることになる。そこに目をつけたのがロシアの「バーチャルタクシー運転手」だ。
ロシア政府のイノベーション開発プロジェクトである国家技術イニシアチブ(NTI)のワーキンググループ「アフトネット」が、バーチャル運転手付きの無人タクシー配車アプリの開発を進めている。バーチャルタクシー運転手はスマホの専用アプリを通して乗客の趣味や訪れた場所などの情報から、スポーツや観光地など多様なジャンルの会話を交わすことが可能だという。また、タクシーを再度利用すると前回話した続きから会話を再開できる。
ロシアのメディア「アフトネット」の専門家によれば、タクシーの乗客5人に1人は、運転手と話すことを好意的に受け止めていると分析している。このような車内での会話を求める人に対し、話し相手を提供するビジネスには大いに可能性を感じさせる。
一方、タクシーで話しかけられたくないと感じる人もいるだろう。実は筆者もその一人。車内では運転手との会話よりSNSやネットサーフィンをしたいと常々感じている。
ただ運転手から話しかけられると黙っているわけにもいかず、渋々会話を行うことも多い。この自動運転タクシーとバーチャルタクシー運転手の組み合わせは、そうした双方のニーズに応えることができる点もポイントだろう。会話はアプリを通じて行われるので、話したくなければそもそもアプリを起動しなければいいだけだ。
ロシアで開発が進むこのアプリ、仮に日本で登場した場合には使う人は多いのだろうか。
【参考】関連記事としては「自動運転タクシーの実現はいつから? 料金やサービスは?」も参照。