西日本鉄道株式会社(本社:福岡県福岡市/取締役社長:倉富純男)は、米アマゾンが提供するサービス「Amazon Alexa」(アマゾンアレクサ)を活用し、西武バスの運行情報を音声案内するサービスを2019年2月4日から開始した。
西部バスでは、バスの遅れや現在位置を知りたいという利用者のニーズに応え、スマートフォンやパソコンから運行状況を確認できる「にしてつバスナビ」を2004年から運用してきた。
アマゾンアレクサは、AI(人工知能)を搭載したスマートスピーカーに話しかけることで、明日の天気を聞いたり、音楽を再生したりできる音声アシスタントだ。「スキル」と呼ばれるアプリケーションで機能を拡張することができ、「にしてつバスナビ」の機能を使って音声検索を行えるようになる。
例えば「アレクサ、バスナビを開いて」とスピーカーに話しかけると、あらかじめ登録しておいたバス路線の現在位置を教えてくれる。ユーザーは出掛ける前にパソコンやスマートフォンで検索をする手間がなくなり、準備をしながら手軽にバスの運行状況をチェックできる。今後はルートや運賃の情報なども検索できるようにバージョンアップを行う予定だという。
■スマートバス停の実証実験も実施
西部バスは情報通信技術を活用したサービスの提供に積極的で、2018年よりクラウドサービスを利用したスマートバス停の実証実験を行っている。電子ディスプレイを搭載したバス停で、時刻表の現在の時間帯を大きく表示したり、バスの遅延情報や天気などの情報を表示したりできる。多言語表示にも対応しており、外国人観光客がどのバスに乗ればよいか分かりやすくなる。
遠隔操作により情報を操作できるため、従来行っていた時刻表の張替え作業などの管理業務が不要になり働き方改善の効果も見込める。太陽光発電パネルを搭載して電源環境のない場所に設置可能なタイプも実験されており、設置費用を軽減できるうえ、環境への影響も少ない。
実験は北九州市の数か所で行われているほか、2019年1月から石川県でも実施されている。国内外からの観光客が多い兼六園の近くに設置し、積雪や低温といった悪条件の中でも正常運用できるか試験するという。
今後は全国のバス停へ導入を計画し、バス停の利便性向上とバス事業者の労働力軽減を目指す意向だ。道端にただ佇んでいたバス停が今後世間をびっくりさせる驚きのイノベーションを起こす日は目前だ。
【参考】海外の事例としては「豪州に”スマートバス停”登場 自動運転バスOlliの相棒、広告配信も!?」も参照。