経済同友会が改革案 自動運転一般化までの数十年に物流業界で行われるべき改革とは?

高速道路の料金改定など必要に

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経済同友会(所在地:東京都千代田区/代表理事:小林喜光)は2019年2月8日までに「経済成長と競争力強化に資する物流改革」を発表し、物流と自動運転の関わりについて報告した。一般向け自動運転の普及には数十年単位の時間がかかるとし、物流業界の自動化実現のために必要となる取り組みについてまとめている。

資料は物流業界の人手不足を取り上げ、解決のために自動運転技術の導入が必要であると述べている。先進技術を使った長距離トラックの隊列走行や宅配便の自動化などが実装されれば、省人化につながり労働力問題が解消できる。

このような自動運転技術の開発、導入にあたって、現行の制度がボトルネックネックになっていると指摘している。企業が新しい技術にチャレンジしやすいように、大胆な制度の改革が望まれる。

■高速道、欧米より2倍以上の利用料の改訂を

また、高速道路を利用した自動運転による物流の有効性について触れた上で、利用料金の高さが障害になっていると指摘する。不確定要素の少ない高速道路は実用化までの技術的なハードルが低く、トラックの自動隊列走行などの実装は一般道より行いやすい。ドライバー一人当たりの運搬量が数倍になるため、省人化による効率の向上が期待される。

しかし、国内の高速道路利用率は16%程度で、欧米の30%と比較すると低い水準にとどまっている。原因は欧米と比べて2倍以上する利用料金の高さで、現行の距離別料金制度の改定が必要だという。運搬コストが下がれば、自動運転技術の導入コストを回収しやすくなり、普及の促進が期待できる。

■AI解析で運搬車両のみに料金割引を提供?

料金引き下げによる渋滞の発生を懸念する声もあり、渋滞の頻発する都市高速は対象外にするなどの施策も提案している。AI(人工知能)による解析で運搬車両のみ料金を割引するなど、一般車の利用増による混雑を避ける工夫も必要となるだろう。

メリットの大きい物流業界で自動運転の普及が進めば、一般向けへの技術フィードバックも行いやすくなるだろう。効率化による環境負担の軽減も期待されており、早急な物流イノベーションが必要とされている。

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