前方の車両を透かせ、その先にいる人や物体をドライバーに見せる技術が確立され、話題を呼んでいる。フランスに本社を置く自動車部品サプライヤーのヴァレオは2018年9月27日までに、2018年10月16〜19日まで幕張メッセにて開催される「CEATEC JAPAN2018」に初出展し、自社開発する「ヴァレオXtraVue」でこの技術を日本で初公開すると発表した。
ヴァレオXtraVueは、車載の「テレマティックスアンテナ」と「レーザースキャナー」、「コンピューター画像カメラシステム」を組み合わせることで、視界に入らない領域も含めて、路上で何が起きているかをドライバーに知らせる。
自社のディスプレイには、ネットワークでつながっているほかの車や沿道に設置されたカメラから送られてくる映像が表示される。そのため、車の前方に障害物があってもその先の光景が分かる仕組みで、まるで障害物が透けるように感じる技術だ。
CEATEC JAPAN2018では2台の車でデモを行う。視界をさえぎる目の前の車がモニター上で半透明になり、前方が確認できるようになる様子をリアルに体感できるようだ。
会場ではレーザースキャナーの最新モデル 「ヴァレオSCALA 2」と「AI 3D認知技術」の実演も行う予定だ。ヴァレオSCALAR 2は現行モデルに比べ、垂直方向の視野角が3倍広くなった。解像度も向上し、昼夜や速度も問わず、動いている障害物も正確に検知できるという。
もう一つの「AI 3D認知技術」はディープラーニング(深層学習)を活用した画像認識によって、自動運転に必要なさまざまなタスクを解決するソリューションだ。自動駐車や自動運転時に重要な車の全周囲にある対象物の位置とサイズ、またそれぞれの移動方向を認知することができるという。
【参考】ヴァレオについては「自動車部品大手の仏ヴァレオ、安倍首相肝いりの自動運転実証に参加|自動運転ラボ」も参照。