インテル、クアルコム、エヌビディア、東芝…。世界における半導体企業たちだ。自動運転やAI(人工知能)などの先端技術の登場で半導体の重要度は一層重要度を増し、各社はこれまでに開発してきた製品をより磨き上げるべく、日夜開発に取り組んでいる。
そんな半導体業界に新規参入するなんて——。そんな声も聞こえてきそうなニュースが2018年9月19日、飛び込んできた。中国の電子商取引(EC)大手アリババ・グループが新たに半導体企業を立ち上げ、チップ生産を2019年から開始するという。用途は自動運転やAI。今まさに既存企業が開発に躍起になっている分野に殴り込む形だ。
アリババのジャック・マー会長がこうした動きをみせたのには理由がある。米中貿易戦争だ。これまで中国の国内産業において、チップは米国依存が顕著だった。しかし米トランプ大統領が中国への制裁関税第3弾の発動を決め、米中貿易が不安定さを増したいま、マー会長はチップの米国依存からの脱却が必要だと感じているようだ。
アリババが半導体企業を新たに設立する場合、どのようにエンジニアを集めるのか。大規模な引き抜き攻勢をかける可能性もある。2019年9月10日に会長職を引退することを発表したマー氏。半導体子会社の設立は会長としての最後の大仕事になるかもしれない。
【参考】アリババの関連ニュースとしては「アリババ、中国全土の道路をスマート化? 自動運転分野の研究加速|自動運転ラボ」も参照。