月往復10,000回分を自動運転で仮想走行 グーグル系ウェイモ

年次会議Google I/O 2018で報告

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米グーグル系の自動運転車開発企業Waymo(ウェイモ)社の自動運転シミュレーションにおける総走行距離が、50億マイル(約80億キロメートル)に達した。これは、地球から月への往復距離1万回分に相当する距離だ。Googleが2018年5月9日に開催した年次開発者会議「Google I/O 2018」の場で報告した。

月までの片道距離を約25万マイルとされており、50億マイルは月往復約1万回分に相当する。地球上で換算すると、赤道上を20万周した計算になる。また、同社は公道上における実際の累計走行距離も600万マイル(約960万km)に達したことを明らかにしており、公道上の運転においても月まで12往復分のデータを蓄積したことになる。

自動運転における予測力や検出力の精度を高めるためにはより多くの走行データが必要となるが、公道上の走行には許認可など多くの制限があるため、空想走行によるシミュレーションは重要な役割を担っている。特に、人工知能(AI)に強みを持つグーグル系の同社にとっては得意分野とも言える。

【参考】ウェイモはGoogleの自動運転車開発部門が分社化して2016年12月13日に誕生した企業だ。ウェイモ社の「公式ウェブサイト」は英語版だが、自社の自動運転技術などについて詳しく解説されている。

「Google I/O 2018」における報告では、グーグルのAIを活用することで完全無人運転に向けた「知覚力」と「行動予測力」が向上したことも発表。自動運転の大きな障害となる降雨や降雪時の運転についても、従来ノイズとして認識していた雨雪をマシンラーニングを活用してセンサー情報から除去し、その他の駐車車両などの障害物を認識できるようにしたという。

このほか、アリゾナ州フェニックスで実施している自動運転車の無料貸出プログラム「early rider program」にも言及した。一般住民も参加できる形で自動運転をより身近なものとし、同時により多岐にわたるデータを蓄積していく構えだ。

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