ソフトバンクグループ株式会社(本社:東京都港区)の孫正義会長は2021年2月8日午後、2021年3月期第3四半期の決算説明会で、純利益が前年同期の6.4倍となる3兆551億6,200万円になったことを説明した上で、「まだまだこの程度であることは恥ずかしい」とさらなる意欲を示した。
孫会長がかねてより重視している「NAV」(株主価値)については、2020年3月末時点の21兆7,000億円から2020年12月末時点には22兆9,000億円に伸びたことを強調。保有株式における純負債は15%にとどまっていることも説明した。
ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)事業については、今期の第1〜3四半期で2兆7,673億円の黒字となっていると語り、前年同期から一転回復したことを強調した。
SVF1の出資先企業で、2019年5月に上場した米ライドシェア大手のUberについては、2020年12月末時点で約3,600億円の評価益が出ていると説明。SVF2については、中国のライドシェア大手DiDiの自動運転子会社「Didi Autonomous Driving」に対して2020年2月に投資したことを、投資先一覧を明示する形で紹介した。
■SVFは「AI革命に集中する」
孫会長はSVFについて、「AI革命に集中する」と改めて強調した。AI技術を活用するビジネスとしては遺伝子治療や教育分野のほか、自動運転分野も当然含まれる。
さらに孫会長は最後に、AI関連企業同士のシナジーも加速させていくことも述べた。こうした方針を鑑みると、今後はSVFで投資している自動運転関連企業同士が何らかの連携をしていくことも考えられそうだ。
【参考】関連記事としては「孫会長が予言!完全自動運転「ほんの数年先から始まる」 決算説明会で言及」も参照。