ソフトバンクグループ株式会社(本社:代表取締役会長兼社長:孫正義)は2020年2月12日、2020年3月期の第3四半期(2019年10〜12月)決算を発表した。
同社の孫正義会長は決算発表の中で、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の上場銘柄の一つである米ライドシェア最大手ウーバー・テクノロジーズの累計損益が、2019年12月末時点で10億5700万ドル(約1200億円)のマイナスとなっていることを説明した。
上場銘柄以外を含むSVFの全体投資状況としては、「交通・物流」部門の銘柄数が全88銘柄のうち23銘柄と最も多くを占めている。同部門の全銘柄の取得価額は計330億ドル(約3兆6000億円)だったが、公正価値は14億ドル(約1500億円)減の316億ドル(約3兆4500億円)に目減りしている。
こうした目減りについては、前述のウーバー・テクノロジーズの公正価値の減少が影響しているとみられる。
ただ孫会長はウーバー・テクノロジーズの累計損益は、この日の決算発表日の前日朝(2月11日)の時点では15億500万ドル(約1700億円)のプラスに黒字転換していることを強調した。
■営業利益は129億円のマイナス
2019年4〜12月の累計業績では、売上高は前年同期比1.1%減の7兆898億400万円、営業利益は黒字から一転して129億6400万円の赤字、四半期利益は前年同期比69.0%減の4765億8700万円となった。
こうした厳しい決算となった要因が、シェアオフィス事業を展開する「WeWork(ウィーワーク)」の経営悪化などだ。
ただソフトバンクグループに関しては、傘下の米携帯電話4位スプリントと3位のTモバイルUSの合併計画を米連邦地裁が容認する判断を11日に示した。このことはソフトバンクグループの今後にとっては好要素で、孫会長も今日の会見で「冬のあとには春が来る、ということを実感した」と述べている。
【参考】関連記事としては「【速報】ソフトバンクグループ、第2四半期決算は7001億円の赤字 WeWork問題やウーバーの株価不調も響く」も参照。