日本の半導体大手ルネサスエレクトロニクス。完全自動運転車の実現を推進するため発足した国際的コンソーシアム「AVCC」への参画や、自動運転システムの開発を加速させる「認識用クイックスタートソフトウェア」を提供するなど、自動運転領域に注力している印象だ。
そんなルネサスが2020年12月、新たな取り組みについて続々と発表を行った。
■中国・第一汽車と共同研究所を設立
ルネサスエレクトロニクスは2020年12月1日、中国の第一汽車集団有限公司(一汽集団)と中国・吉林省に、インテリジェント運転開発プラットフォームの共同研究所を設立したことを発表した。
この共同研究所では一汽集団による次世代カーの開発に向け、ルネサスと車載電子制御システム(ECU)を共同開発するという。ルネサスは今回の協業で、中国の自動車産業の技術革新を後押しすることに意欲を示している。
■自動運転向けに「R-Car V3U」を発表
ルネサスエレクトロニクスは12月にもう1つ新たな発表をしている。自動運転システム向けの車載SoC「R-Car」製品として最高性能を誇る「R-Car V3U」を発表した。
R-Car V3Uでは、深層学習による車載カメラ画像の物体認知、レーダーやLiDARのセンサーフュージョン、走行計画の立案から制御指示など、1チップで自動運転のメインプロセッシングが実現可能だという。
R-Car V3Uはすでにサンプル出荷を開始しており、2023年第2四半期には量産開始を予定しているようだ。
■インテル勢やNVIDIAも台頭する自動運転向け半導体
12月に次々発表されたルネサスエレクトロニクスの取り組みからは、同社が自動運転領域に注力している姿勢がうかがえる。一方、自動運転車向けの車載半導体に関してはインテル勢やNVIDIA(エヌビディア)も台頭しつつある。
車載半導体に元々強いルネサスエレクトロニクスがこうした企業とどのようなに対峙していくのか、引き続き注目していきたいところだ。
【参考】関連記事としては「半導体大手ルネサス、自動運転コンソーシアム「AVCC」に参画」も参照。