住友商事株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役社長:兵頭誠之)は2021年8月16日までに、自動運転技術開発のイスラエルのスタートアップ企業Ottopia Technologies(オトピア・テクノロジーズ)に出資したことを発表した。
住友商事は2019年、イスラエルにCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)として「IN Venture(インベンチャー)」を設立しており、今回はこのCVCを通じて出資した。
このCVCの投資領域は「モビリティ」「環境エネルギー」「ヘルスケア」「IT/サイバーセキュリティ」「アグリテック」で、これまでにOttopia Technologiesを含めて6社に投資したようだ。
■Ottopia、高解像度データの伝送で「低遅延」「安定感」
2018年設立のOttopia Technologiesは、自動運転車両を安全に遠隔操作するシステムを開発している。車両と遠隔センター間において、低遅延で安定感のある高解像度データの伝送を実現しており、どんなタイプの自動運転車両にも適用できるとしている。
ちなみにOttopia Technologiesの技術は自動運転車だけではなく、ロジスティクスや農業、鉱業、建設業など、多様な分野においても応用が可能なようだ。
Ottopia Technologiesに関しては2019年、自動車部品大手のデンソーとの技術提携が報じられており、Ottopia Technologiesは現在、自社ソリューションの提供開始に向けて開発をスピードさせている。
■住友商事、エアモビリティ分野に対するアプローチも強化
住友商事は自動運転分野のほか、シェアリング分野やEV分野での新規事業の模索しているほか、エアモビリティ分野に対するアプローチも強化している。
2021年6月には、量子コンピューティング技術で空飛ぶクルマを制御する実証実験を実施すると発表した。量子コンピューティングに強みを持つ東北大学や無人機管制システム開発を手掛ける米OneSky Systemsと共同で実証実験を行い、住友商事は実証の企画・運営を担う。
ちなみに住友商事は2020年4月にOneSky Systemsに出資しており、2021年3月には東北大学と共同研究契約を締結している。
このほか2019年4月には、空飛ぶタクシー開発を手がける米Bell Helicopter Textronと、2020年2月にはJAL(日本航空)とBellの両社と業務提携を締結している。
■【まとめ】投資だけでなく実証にも参加する住友商事
自動運転や空飛ぶクルマの分野に積極的にアプローチしている住友商事。投資だけではなく実証実験の運営にも携わっており、今後も動きにも注目が集まりそうだ。
▼Ottopia Technologies公式サイト
https://ottopia.tech/
【参考】関連記事としては「量子技術で「空飛ぶクルマ」を制御!住友商事、東北大学やOneSkyと実証開始」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)