自動運転領域にも注力する米半導体大手NVIDIA。「NVIDIA DRIVEラボ」では自動運転に関する動画を次々と公開しており、同社が開発中の技術について知ることに役立つ。この記事ではNVIDIA DRIVEラボでこの1年に公開された動画のいくつかを紹介していく。
■DNNの多重使用で交差点の構造を理解
深層学習を適用したDNN(ディープニューラルネットワーク)を多重使用し、道路上で自分の車が走る車線を赤、他の車が走る車線を黄色、自分の車が進んでもいい車線を緑色、入ってはいけない車線を黒で検出し、横断歩道のある交差点などの複雑な場所も正確に認識できるという。
■ピクセル単位でのオブジェクト形状認識技術
自動運転では物体を四角く区切って検出するが、パノプティックセグメンテーションは物体の形状を種類ごとにピクセル単位で分類できる。その上で、車両を青、歩行者を赤、走行可能エリアを緑で色分けするという。
交差点の歩行者は1人1人を異なる存在として検出し、対向車線を走るバスのバックミラーや珍しい形のトラック、牽引されている車、木で遮られている車をも個別に正確に検出するという。駐車場などの複雑な構造の場所でも、停車している車と走行エリアを動く車を識別できるという。
■夜間の歩行者検出精度の向上
夜間の歩行者は温度を感知して検出する。アクティブラーニングの取り組みにより、暗闇での歩行者検出の精度が上がっている。歩行者や止まっている自転車なども細かく選別する一方で、看板に描かれた人の絵などには反応しない。バイクに乗っている人物とバイクを別々に認識することもできるようだ。
■RNNで自車両以外の動きの予測
自車両以外の車や歩行者の現在の位置を白いボックスで囲い、それぞれが動くであろうとされる0.5秒後の未来の軌跡予測を黄色で囲っている。さらに自車両の近くにいる自動車を赤いボックスで示し、去っていく車は緑色で示している。
深層学習の一種であるRNN(リカレントニュートラルネットワーク)が使われている。
■【まとめ】NVIDIAの技術を知るきっかけに
どの動画も2分以内にまとめられており、英語が理解できる人であれば気軽に見られる長さだ。NVIDIAの技術は大手自動車メーカーでも導入事例が増えており、業界に関わる人であればNVIDIAの技術は知っておいて損はない。
【参考】関連記事としては「コロナでもクラウド上で走り続ける自動運転車 NVIDIA、技術進化へ取り組み」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)