以前、運転免許に関するコラムを書いた。「遂に解禁の自動運転機能、使う人向けの「追加免許」は必要か」だ。この記事では普通免許を持っている人でも自動運転機能を使う場合は追加免許が必要になるかも、という可能性に触れた。
この自動運転時代の運転免許については、あるもう一つの可能性がある。それは「AT限定(オートマ限定)」のように、「自動運転車限定」という区分が新たに創設されることだ。
将来はこうした免許区分も新たに創設され、「Autonomous Driving」を略す形で「AD限定」などと呼ばれるようになるかもしれない。
■運転をする必要が完全に無くなったとしても
自動運転レベルは0〜5の6段階に分類される。そして日本では緊急時以外はシステムに運転を委ねる「レベル3」が来年解禁される。このレベル3では人間も緊急時などを含めて運転をしないといけないため、普通免許を取得していることが大前提となる。
ただ「レベル4」と「レベル5」の技術が普及した将来、ドライバーは運転操作から完全に解放される。そうすれば運転技能が無くても自動運転車で移動することができ、ある意味、普通免許を持っていない人も自動運転車で移動する事ができる。
しかし、運転操作を要しないため普通免許などの取得は不要になるかもしれないが、車両の所有者・責任者として最低限道路交通に関する知識を有している必要がある。例えば、運転を開始する前の車両の日常点検や自動運転車が公道で故障した場合の対応などだ。
こうしたことを考えると、自動運転車限定の免許区分が誕生してもおかしな話ではないだろう。
■免許制度に変革が必要な日がやってくる
自動車業界は大きな変革のときを迎えている。その時代の変化に合わせ、免許制度に何らかの変革が必要にやる日は必ずやってくる。予想が当たるかは今の時点では分からないが、自動運転ラボとしてはその可能性は決して低くないものだと考えている。
ちなみに自動運転時代は遠隔地の管制センターから人が車両の運転するというシーンも考えられる。車両が故障したときに自動運転システムに代わって操舵するためだ。その際にはリアルタイムに得る車両周辺の映像をモニターでみながらの運転となるが、こうしたことに特化した免許というのも生まれそうだ。
【参考】関連記事としては「遂に解禁の自動運転機能、使う人向けの「追加免許」は必要か」も参照。