飲食・物流に続き「医療」でも!自律走行ロボ、藤田医大で導入実証

川崎重工業と実施、医療従事者の負担軽減へ

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出典:川崎重工業プレスリリース

「飲食×自動配送」「物流×自動運転」に続き、医療業界でも自律走行技術の導入の機運が徐々に高まりつつある。

愛知県豊明市の藤田医科大学と川崎重工業は2021年10月23日から、自律走行による搬送機能を搭載したサービスロボットの実証実験を、藤田医科大学の大学病院内で開始する。

飲食業界、物流業界、医療業界に共通しているのが、「人手不足」という点だ。藤田医科大学の大学病院での実証実験でも、サービスロボットの導入によって医療従事者の負担軽減を目指し、同時に業務の効率化も図っていくという。

■実証実験を経て、2022年度中に本格導入へ

今回の実証実験は、藤田医科大学が掲げる「スマートホスピタル」構想の実現に向けた取り組みの一環だ。2021年10月の実証実験を「フェーズ1」とし、その後の「フェーズ2」と「フェーズ3」の実証実験を経て、2022年度中にサービスロボットの本格導入を目指すという。

<フェーズ1>
【実証内容】自律走行機能を有したロボットによる同一フロア内搬送の検証、人のエレベータ操作補助あり別フロア移動の検証
【時期】2021年10月23~31日

<フェーズ2>
【実証内容】自律走行機能・エレベータ連携機能を有したアーム付きロボットによる別フロア間搬送の検証
【時期】2022年1月頃

<フェーズ3>
【実証内容】多用途アーム付きロボットによる病院内作業と病院側システムとの連携検証
【時期】2022年4月以降

将来的には検体や医薬品の搬送だけではなく、患者の誘導や買い物代行のためにサービスロボットを導入することも視野に入れているという。

■飲食業界、物流業界でも導入の動き

さまざまな業界でサービスロボットを導入する機運が高まった背景には、新型コロナウイルスが猛威を振るったこともある。「非接触」(コンタクトレス)のニーズが高まったわけだ。

飲食業界では、ソフトバンクロボティクスの配膳・運搬ロボット「Servi(サービィ)」が2021年2月から発売されており、ファミリーレストランや焼肉店や回転寿司チェーンなどへの導入が次々と決まっている。

物流業界では、大和ハウス工業や日立物流などによる取り組みにも注目だ。2021年9月から共同で、AI(人工知能)を搭載した自動運転フォークリフトとトラックと連携させる実証事業を開始し、労働不足解消や作業効率化に向けて動きだしている。

海外の医療業界では、サービスロボットの導入がいち早く進んでいる。一例を挙げると、自律搬送ロボットを開発するAethon(エーソン)社の製品は多くの病院で導入され、食事を患者まで届けたり、手術用具を運んだりしている。

■本格的に導入を検討する医療機関が増えそう

日本の医療現場においても、自律走行ロボットの導入に向けた取り組みが盛んになりつつある。新型コロナウイルスの感染の再拡大の懸念もまだまだ消えない中、危機感からこうしたロボットの導入を本格的に検討し始める医療機関も増えていくかもしれない。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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