米カリフォルニア州サンノゼのシリコンバレーでこのほど、メルセデス・ベンツのSクラスがベースの自動運転車両による自動運転シャトルサービスの実証実験が始まった。独自動車部品大手ボッシュが開発する自動運転システムなどが搭載され、現地で注目を集めている。
今回の実験の狙いは自動運転システムのさらなる高度化に向けた課題の抽出など。そのほか、公共交通やカーシェア車両と自動運転シャトルをどう有機的に結び付けていくかなども検討される見込み。
実証実験中、自動運転車両にはセーフティドライバーが乗り、サンノゼ西部と都心部の間を往復する。実証実験に参加する人はアプリを通じて乗車を予約できる。通りを歩いている不特定多数の人は今回は実証対象にはしない。
■自動運転サービス、日本でも盛んに
日本でも自動運転サービスの取り組みは各地で行われ始めている。
秋田県小阿仁村では2019年11月30日から、道の駅「かみこあに」と各集落を自動運転車で結ぶサービスがスタートした。1回200円で利用できる有償サービスで、公共交通として自動運転サービスがレギュラー運行されるのは全国初とのことで注目を集めた。
このサービスで使用される車両はヤマハ発動機製で、定員は7人。地元の有償ボランティアが同乗して運行を監視している。午前1便、午後1便の定期便のほか、定期便の隙間時間にはオンデマンドで運行されており、高齢化が進行する中山間地域での移動の足として活躍している。
自動運転技術のZMP(本社:東京都文京区/代表取締役社長:谷口恒)は2020年1月、成田空港や羽田空港と東京・丸の内を結ぶ都市交通インフラの実証実験を行う。空港リムジンバスと自動運転タクシー、自動運転モビリティを連携させ、同区間を円滑に移動できるよう取り組むものだ。
■【まとめ】両社の取り組みもいずれ商用化へ
2020年は自動運転タクシーや自動運転シャトルも、実証実験の域を超えて商用サービスとして提供される例が相次ぐはずだ。メルセデス・ベンツとボッシュによる取り組みもその一つになるかもしれない。
【参考】関連記事としては「自動運転タクシーの実現はいつから? 料金やサービスは?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)