自動車制御関連のベンチャー企業であるAZAPA株式会社(本社:愛知県名古屋市/代表取締役:近藤康弘)は2020年3月3日までに、モビリティ・サービスで利用する通信ユニット「T-BOX」とデータサービスのためのコネクテッドプラットフォームの提供を開始すると発表した。
2008年設立のAZAPAは、「持続可能な社会循環を促す新たなサービス創出」を目指し、MaaSを含むオートモーティブ事業や研究開発事業、エネルギー事業事業などを手掛けているベンチャー企業だ。
「Tier 0.5」という独自ポジションを確立し、CASEにおける「自動運転」や「電動化」でも多くの自動車メーカーやサプライヤーと取り組みを行い、「コネクテッド」や「シェアリング」の領域では高速バス大手WILLERと協業し、データインフラの基盤開発も行っている。
そんなAZAPAが同時に提供を開始する「T-BOX」と「コネクテッドプラットフォーム」はどのようなものなのだろうか。
■T-BOXとコネクテッドプラットフォームは、どんなサービス?
まずT-BOXについて。MaaSの実現には車両データや画像、音声など膨大なセンシングデータを集積する必要がある。T-BOXはこうした膨大なデータを確実に集積し、複数の事業者が同時に安全に車両データを取得できるようにする中継ぎ的な役割を果たすようだ。
一方でコネクテッドプラットフォームは、「同期インターフェース機能」「Data Lake(データレイク)」などの機能を実装している。
「同期インターフェース機能」は、車両データや画像、音声など膨大かつ多岐にわたるデータを同じ時系列で地層化管理するもので、T-BOXと組み合わせて相互の通信データの欠損を保証する「データ保証機能」も併せ持つという。「Date Lake」は集積データの価値分析機能のことで、利用者の行動や消費の行動データを分析し、利用者の購買意欲などを探るデータに再構築するという。
MaaSやコネクテッド分野ではデータを最適化するだけでなく、サービス創出につなげられるよう、変換して分析することが不可欠だ。そういった視点でも、AZAPAのこうしたサービスや機能には注目だ。
【参考】関連記事としては「自動車ベンチャーのAZAPA、パナソニックと運転支援分野の開発などで資本提携」も参照。