テスラ自動運転ソフトで荒稼ぎ 2年ぶり最高益率でQ1好決算

ソフトウェアで稼ぐ体質に

B!
イーロン・マスク氏=出典:Steve Jurvetson/Flickr (CC BY 2.0)

テスラが2026年4月22日に発表したQ1決算で、約2年(直近8四半期)ぶりに最高益率を記録した。その背景には、自動運転ソフトウェア「FSD(Full Self-Driving)」の定期購読(サブスク)があり、前年比51%増の128万人に達している。

EV販売ではなく、ソフトウェアで稼ぐ体質への転換が数字に表れ、粗利益率が21.1%という数字を叩き出した。フリーキャッシュフローも前年比2倍超の14.4億ドルを達成するなど、AIソフト企業への進化が鮮明になった決算について解説する。

編集部おすすめサービス<PR>
自動車保険 スクエアbang!(一括見積もり)
「最も安い」自動車保険を選べる!見直すなら今!
新車定額!リースナブル(車のカーリース)
お好きな車が月1万円台!頭金・初期費用なし!
車業界への転職はパソナで!(転職エージェント)
転職後の平均年収837〜1,015万円!今すぐ無料登録を
タクシーアプリは「DiDi」(配車アプリ)
クーポン超充実!「無料」のチャンスも!
編集部おすすめサービス<PR>
スクエアbang!
「最も安い」自動車保険を提案!
リースナブル
新車が月々2万円から!
パソナキャリア
転職後の平均年収837〜1,015万円
タクシーアプリDiDi
クーポンが充実!「乗車無料」チャンス

■2年ぶり最高益率は自動運転の拡大が要因か

テスラが2026年4月22日に発表したQ1決算で、粗利益率が21.1%と約2年(直近8四半期)ぶりに最高水準を記録した。好業績を牽引したのは自動運転ソフトウェア「FSD」のサブスクリプションの急拡大で、前年比51%増の128万人に達している。

主要数字を整理すると、売上高は前年比16%増の約224億ドル。粗利益率は前年の16.3%から約5ポイント改善した。一方で課題も見え、EV配送台数は35.8万台と市場予測をわずかに下回り、在庫が積み上がる結果となった。

また説明会でマスクCEOが「2026年の設備投資(capex)は250億ドル超になる」と宣言したことで、先行コストの重さも浮き彫りになった。決算発表直後の時間外取引では期待感から株価が上昇したものの、翌4月23日の終値は投資負担への警戒感から3.56%下落している。

【参考】関連記事としては「テスラの自動運転タクシー、呼んでも全然来ない!」も参照。

■FSDサブスク128万人・51%増が示す収益モデルの転換

好決算の核心はFSD定期購読者数の伸びにある。前年比51%増という数字は、テスラが今四半期に開示したどのKPIよりも速い成長率だ。自動車は売れたらそこで終わりの「1回の収益」だが、月額99ドルのサブスクは毎月繰り返し入ってくる「定期収益(ARR)」となる。

100万人のサブスクが増えると年間約1,200億円の高利益率な収益が加算される計算だ。これが、市場がテスラを「SaaS型AIカンパニー」として再評価し始めた理由である。テスラは2026年2月にFSDの一括購入モデルを廃止しサブスク一本化に移行しており、今後はさらなる定期収益の積み上がりが期待される。

■最も驚かせた設備投資(capex)250億ドル

説明会で最も市場を驚かせたのが、設備投資額の大幅増額だ。2026年の投資額は前回予測から50億ドル増の250億ドル(約3.8兆円)を超える見通しだ。これは2025年実績の約3倍に相当する巨額投資である。投下先は主に以下の4点だ。

1. 自動運転タクシー専用EV「Cybercab(サイバーキャブ)」の生産ライン
2. 人型ロボット「Optimus(オプティマス)」の量産体制構築
3. AI学習用コンピュートインフラ「Cortex(コルテックス)」
4. 自社AI半導体を開発するResearch Fab(ギガテキサス内)

マスク氏は自社AIチップの開発についてIntelとの連携も発表。AIコンピュート争奪戦において、NVIDIAの顧客としてだけでなく、自社設計でも戦う段階に入ったことを示唆している。

【参考】関連記事としては「テスラが街中に「謎の工場」を設置 自動運転対応用か」も参照。

テスラが街中に「謎の工場」を設置 自動運転対応用か

■自動運転タクシー事業の現状

自動運転タクシーサービスは現在、オースティン・ダラス・ヒューストンの3都市で展開しており、走行マイルは順調に伸びている。しかしマスクCEOは「2026年中のロボタクシー収益はマテリアル(重要な規模)にはならない」と明言しており、本格的な収益化は2027年以降を見込んでいる。

先行するGoogle傘下のWaymoはすでに米国10都市で有料乗車を提供し、年間3.5億ドルを超える定期収益を達成している。テスラがこのライバルに追いつくためには、Cybercabの本格量産とフリート(車両群)の大幅な拡大が不可欠であり、現在はそのための「種まき」として巨額のcapexが使われている構図だ。

【参考】関連記事としては「テスラの自動運転(FSD)機能とロボタクシー部門を徹底解説」も参照。

■「EVメーカー」か「AIカンパニー」か、戸惑う市場評価

Q1決算後、市場のテスラに対する評価は分かれている。株価収益率(PER)で見れば180倍を超えており、既存の自動車メーカー(BYDやGMなどは10倍以下)とは桁違いの水準だ。これは投資家がテスラを自動車メーカーではなく、AIプラットフォーム企業として評価していることを裏付けている。

しかし、アナリストの目標株価は100ドル台から600ドル台まで大きな開きがある。テスラのQ1 2026は、好利益率という結果を残しつつも、将来の収益化に向けた重い投資負担を改めて提示した形となった。2027年にロボットタクシーとFSDサブスクが名実ともに収益の柱となるかどうかが、今後の評価を左右するだろう。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



B!
関連記事