Googleのロボタクシーに新たな脆弱性!「停電」で立ち往生

サンフランシスコで渋滞引き起こす

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出典:X

米カリフォルニア州サンフランシスコで大規模停電が発生した。市内の約3分の1が停電に見舞われるという状況の中、自動運転車も大きな影響を受けた。

Google系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)は、サンフランシスコで完全無人の自動運転タクシー(ロボタクシー)サービスを展開しているが、停電で信号機が停止した交差点に立ち往生する事態が相次ぎ、大きな交通渋滞を引き起こした。緊急車両の妨げにもなったようだ。これによりWaymoはロボタクシーサービスを一時停止することになった。

自動運転車は、信号機と通信により連携されている。今回は停電による信号機の停止が立ち往生の原因となったが、電力面に関しては管制センターとのやり取りのためのネット通信が非常に重要なポイントとなる。これに影響が出るような事態が起こるケースも想定して、さまざまな対策を行うことが重要だと浮き彫りになった。

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■大規模停電で何が起きた?

カリフォルニア州の電力大手・PG&Eの変電所で発生した火災が原因で、2015年12月20日の早朝から夕方までサンフランシスコ全体の3分の1にあたる約13万世帯が停電した。停電により市内の信号機が停止、Waymoのロボタクシーが交差点で立ち往生する事態となった。

この様子は、SNSなどで多く報告されている。あるX(旧Twitter)ユーザーは「サンフランシスコで停電発生。Waymoの車がノースビーチで大渋滞を引き起こしてる」との説明を添え、夜間に撮影したと思われる動画を投稿している。Waymo車の立ち往生により、周囲の車両が動きようがなくなり停止している状況が分かる。歩行者も振り返りながらその様子を見ているようだ。

また他のXユーザーも「停電でWaymoがやられた…RIP」というメッセージとともにWaymo車が停止している動画を投稿した。周りの車がクラクションを鳴らす大きな音がきこえる。どちらの投稿者も、この状況を面白がっているようにも見える。

■長時間停止することに…

この事態を受け、Waymoはロボタクシーサービスを一時停止した。同社の広報担当者は地元ニュースメディアの取材で「サンフランシスコ全域に及ぶ停電を受け、当社の配車サービスを一時的に停止した。ユーザーの安全確保を最優先するとともに、緊急対応にあたる人員が業務に必要な円滑な通行を確保できるよう注力している」とのコメントを出した。

今回のトラブルを引き起こした原因については、「自動運転システムであるWaymo Driverは、信号機が作動していない場合はfour-way stops(全方向一時停止)として対応するよう設計されているが、今回の停電は規模が非常に大きかったため、影響を受けた交差点の状況を確認するために車両が通常より長時間停止するケースが生じた」としている。

ただし運行中であった多くのWaymoのロボタクシーは、車両が停止する状況になる前に乗車サービスが完了していたという。立ち往生している最中に乗客はそれほど多くいなかったということだ。

■まだまだ課題はありそう

今回のようなトラブルや災害による大規模停電では、現状では自動運転車は信号機と連携が取れず停止するしかないことが分かった。しかし混乱している最中に車を停止することは非常に危険で、二次災害や二次被害を起こす要因にもなる。

今回は想定以上の大規模停電であったため、世界最高レベルの自動運転技術を誇るWaymoでも対応が間に合わなかったのかもしれない。自動運転車の実用化には、想像を超える事態をシミュレーションし、即時対応可能な機能を備えることが高い安全性確保につながるだろう。発展途上の自動運転開発には、まだまだ課題が多く残されているようだ。

日本でも2026年に展開予定のWaymoのロボタクシーサービス。用心深い性格の日本人は受け入れられるのだろうか。

【参考】関連記事としては「Googleの自動運転タクシー、東京で来年展開か」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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