自動運転、テスト段階で「売上180万ドル」獲得のカラクリ

監視システムの供給で売上獲得

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出典:Seeing Machines公式サイト

自動運転のテスト関連事業で180万ドル(約2億7,000万円)もの売上を獲得する企業が現れた。オーストラリアを本拠とするテクノロジー企業Seeing Machinesが、米国の大手自動運転車開発企業と新たに契約を結んだ。

Seeing Machinesは、ドライバーおよびオペレーター監視システムなどの開発を手掛ける注目企業だ。今回の契約により、顧客企業が米国で取り組みを拡大している自動運転テスト車両群を支援するために同社が開発する「ガーディアン・バックアップドライバー・モニタリング・システム(ガーディアンBdMS)」を追加供給することになった。

自動運転タクシー(ロボタクシー)サービスの提供自体はまだまだ限定的であるものの、このように自動運転市場の広がりで売上を着実に得ている企業があり、Seeing Machinesもその1つだと言える。

▼US$1.8m Purchase Order as Global Autonomous Driving Leader Expands Use of Guardian BdMS
https://seeingmachines.com/wp-content/uploads/2025/10/SEE-RNS-Guardian-BdMS-FINAL2-08-10-25.pdf

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■ドライバーレスへの移行期間に活躍

今回追加ユニットを供給することになったガーディアンBdMSは、コンピュータービジョン(画像認識)とAI(人工知能)を用いて、ドライバーの注意力や集中状態を追跡することを可能にしたものだ。

現在実用化されている自動運転車の多くが、人間の「セーフティドライバー」を同乗させる方式を取っている。ガーディアンBdMSは、こういったセーフティドライバー同乗型の車両向けに設計されているシステムになっている。

Seeing MachinesのCEO(最高経営責任者)であるPaul McGlone氏は「北米全域で自動運転車のテスト車両を拡大しているこの重要な顧客を、引き続き支援できることを大変うれしく思っている。今回の追加受注は、完全自動運転への移行期間における安全確保において、ガーディアンBdMSが果たす重要な役割を改めて示すものだ」と自信を見せている。

また同社の技術が「完全自動運転の運用と人間による監視との間のギャップを埋める」役割を果たしており、業界が商業化に向けて着実に前進していることについても言及した。

出典:Seeing Machines公式サイト

■オーストラリア企業のSeeing Machines

Seeing Machinesはオーストラリア国立大学からのスピンアウト企業として、Volvo Technological Developmentと共同で2000年に設立された。「交通事故による死亡者ゼロ」を実現することを使命としている。

同社はミッションクリティカル分野に焦点を当て、最先端のソフトウェアやハードウェア、システムを設計・製造・販売している。これらの技術は現在、世界中の複数の産業で活用されており、世界有数の数多くのブランドに採用されているという。世界で最も高度な「人間データ駆動型テクノロジー」を活用することで、Seeing Machinesは致命的な事故の発生を劇的に減少させることに寄与している。

公式サイトには主要取引ブランドとして、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)やTransport for London(ロンドン交通局)、カナダの自動車部品メーカーであるMagna International、スウェーデンの自動車技術会社Veoneer、米Coach USA、アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ航空、米Caterpillar、オーストラリアのカンタス航空といった大企業が紹介されている。

■時代の流れをうまくキャッチ

世界各国で自動運転の実用化が進んでいる。それに伴い、自動運転関連事業の売上も拡大していく傾向にある。Seeing Machinesが現在注力する自動運転テスト車両のテストを支援するためのシステムは、セーフティドライバーありでの運行向けに開発されたもので、現在の世界の自動運転車の開発レベルに合致している。

自動運転の技術開発がレベルアップするにつれて、同社は今後ドライバーレスの自動運転車向けのテストを支援するシステムを提供する段階に移っていくのかもしれない。今後ますますの活躍が期待できる企業の1つだと言えよう。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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