トヨタWoven City、遠すぎる?東京からは「◯◯時間」

東京から新幹線で2時間、自動車だと?

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トヨタが発表したWoven City計画=出典:トヨタプレスリリース

静岡県裾野市でまもなくフェーズ1のオフィシャルローンチを迎えるWoven City。スマートシティに通じる民間主体の新たな都市づくりの取り組みとして、そしてモビリティの未来を実証する場として、今後注目度が増していくことは間違いない。

「いずれは一度見に行きたい」と思う人も少なくないと思われるが、そもそもWoven Cityはどこに位置しているのか。Woven Cityへのアクセスについて解説していく。

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■Woven Cityへのアクセス

Woven Cityは富士山と箱根山の間?

Woven Cityの所在地は、静岡県裾野市御宿だ。トヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地で建設を進めている。富士山と箱根山の間をイメージするとわかりやすい。最寄り駅はJR御殿場線の岩波駅で、駅の北西約400メートルの場所に位置する。駅から徒歩5分だ。

JR御殿場線は神奈川県小田原市と静岡県沼津市を結ぶルートで、箱根山の北側を回る。一方、東海道本線や新幹線は箱根山の南側、熱海ルートを通っており、この東海道本線のバイパス・迂回ルートとしても機能する路線だ。岩波駅は、沼津からほど近い位置に立地している。

東京からは2~3時間必要

では、実際に東京から岩波駅まで向かう場合、どのようなルートとなるのか。東京駅から岩波駅までは直線で約100キロほど離れている。

新幹線を利用する場合、東京駅から静岡県三島市の三島駅まで乗車(約53分)し、東海道本線に乗り換えて沼津市の沼津駅に向かう(約6分)。沼津駅からはJR御殿場線で岩波駅へ(約20分)。乗り換え時間など含めると、2時間ちょっとでWoven Cityに辿り着くことができる。運賃は総額約4,400円だ。

三島駅から岩波駅まで富士急モビリティのバス(約30分)も出ている。時刻表の都合があるが、タイミングが合えば新幹線で三島駅に向かい、そこからバスで岩波駅に向かうのも早そうだ。

新幹線を使わない場合、東京駅から東海道本線で小田原市の国府津駅へ向かう(約71分)。そこからJR御殿場線で岩波駅へ(約95分)。乗り換えが1回だけで楽だが、所要時間は約3時間必要になる。運賃は計2,300円ほどだ。

新宿からであれば、小田急電鉄のロマンスカーふじさん号で静岡県御殿場市の御殿場まで向かうことができ(約100分)、そこからJR御殿場線で岩波駅に辿り着ける(約13分)。新幹線同様、約2時間の行程だ。

バスタ新宿から高速バス(約95分)に乗って同様のルートで行くこともできる。所要時間はそれほど変わらないが、若干徒歩が必要になる。

出典:Google Map

名古屋からは2時間半~4時間超

では、トヨタのお膝元である愛知方面の場合はどのような感じになるのか。名古屋を起点にすると、Woven Cityまでの距離は180キロほどと長距離なため、東海道新幹線で三島駅まで向かうのがベストだ(約100分)。Woven Cityまでは2時間20分ほどかかる。

東海道本線を利用する場合、豊橋や浜松などで乗り換える必要があり、Woven Cityに辿り着くまで4時間を超えることになる。

なお、静岡駅からは約50キロほどの距離で、東海道新幹線で三島駅まで22分ほど、東海道本線で沼津駅までだと56分ほどかかる。

より遠方のケースで、静岡空港を利用可能な場合、空港アクセスバスで東海道本線の金谷駅に行き(15分)、沼津駅まで約90分……といったところだ。

出典:Google Map

自動車によるアクセスは良好

自動車の場合、東名高速道路の駒門スマートICがほど近い。Woven Cityまでの直線距離で約2キロだ。新東名高速道路の場合、御殿場JCTから直線で約4~5キロ、長泉沼津ICから約8キロといったところだ。

富士スピードウェイや芦ノ湖、熱海温泉が近郊に

次に、近隣施設やスポットを見ていこう。富士の裾野という立地から、実際に富士山までどのくらいの距離があるのか。マップ上の直線距離では、Woven Cityから富士山頂まで20キロちょっとだ。まさに富士の裾野であり、季節を問わず雄大な景色を楽しむことができそうだ。

箱根側では、芦ノ湖がほど近い。直線距離で約7キロとなっている。Woven City自体は工業地帯の中だが、周囲は景勝地に恵まれているようだ。

トヨタ子会社の富士モータースポーツフォレストが運営する富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)は、Woven Cityの真北方向、直線で16キロ離れたところに位置している。国際格式のレーシングサーキットで、レース以外にもクルマ好きイベントなどが開催されている。

このほか、彫刻の森美術館まで直線12~13キロ、熱海温泉郷まで直線20キロ、電車で50分前後、富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)まで直線約30キロ――といった感じだ。

周辺施設に寄り道すれば楽しい旅に?

まとめると、電車でのアクセスについては東海道本線などの主要路線からは一歩外れているものの、最寄り駅の岩波駅からは徒歩5分程度と比較的近く、不便というほどではない。

自動車の場合、東名高速道路・新東名高速道路がすぐそばを走っているため、アクセスしやすい環境にありそうだ。

また、周辺には富士スピードウェイや熱海温泉、富士山、芦ノ湖などメジャースポットが点在している。ややマイナーなスポットも含めると、観光面では数日間滞在しても飽きない好立地と言えるかもしれない。

Woven City外への自動運転モビリティの導入に期待

未来を見据えたモビリティの実証を行うWoven Cityとしては、自動運転バスをはじめとした次世代モビリティでアクセス向上を図るのも意義があるのではないだろうか。

現実路線としては、岩波駅からの約400メートルであれば、e-Paletteなどのモビリティで無人シャトルバス運行を比較的容易に実現できるのではないだろうか。

オープン当初から実証関係者などの来訪需要が発生するほか、将来、見学などのビジターを受け入れるのであれば、岩波駅からモビリティによるおもてなしで出迎える――というのはアリだと思う。

発展形としては、乗り換え主要駅からの無人送迎だ。例えば、東海道新幹線が停車する三島駅や、東海道本線が停車する沼津駅からの自動運転バス運行だ。

Woven Cityは、三島駅から直線で11キロ、沼津駅から直線で15キロほど離れており、自動運転バスとしてはハードルが高いかもしれないが、10年20年後を見据えれば、こうした中距離路線を無人走行できる技術が望まれることは言うまでもない。

現在国内各地で開発・実装が進められている自動運転バスの大半は短距離路線だ。技術的に現実路線を歩まざるを得ないため短距離に集中するが、需要を踏まえれば中長距離路線の無人化も求められていることは間違いない。

だからこそ、Woven Cityに関わる取り組みの一環として、トヨタやウーブン・バイ・トヨタが中長距離自動運転バスに取り組むのは意義があるものと思われる。

理想は、地元である裾野市をはじめとした近隣自治体と手を組み、Woven Cityにおける実証の成果をリアル都市で実証・展開していくことだ。自動運転モビリティの展開もその一例となる。

Woven City構想発表当初、当時の裾野市長は協力的で、岩波駅周辺のまちづくり計画の策定に動き出すなど協調体制をとっていた。Woven Cityに歩調を合わせるかのように、次世代型近未来都市を目指すスソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ構想も策定した。

しかし、2022年1月の市長選で市長が代わり、明らかに温度が下がったように感じられる。市のホームページを見ても、特段Woven Cityと連携した事柄はヒットせず、スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ構想も中止に追い込まれた。予算上の問題などもあるのだろう。

一時ブームのように飛び交った「スマートシティ」という言葉を耳にする機会は激減したが、本質的な意味でスマートシティ構想を推進する上でWoven Cityは格好の実験場となる。第一期オープン時期を迎える今、裾野市をはじめとした近隣自治体には改めてWoven Cityとの関係・連携を模索してもらいたいところだ。

【参考】スマートシティについては「万博の跡地、トヨタによる「大阪版Woven City」への期待感」も参照。

万博の跡地、トヨタによる「大阪版Woven City」への期待感

空飛ぶクルマなら東京から30分未満で到着?

Woven Cityへのアクセスに関しては、空飛ぶクルマによる移動も面白そうだ。空飛ぶクルマであれば、中距離移動をほぼ直線ルートで進行することができ、短時間で移動が完了する。

例えば、トヨタが出資する米Joby Aviationのエアモビリティは、運転手含め5人乗りで最高速度時速320キロ、航続距離約160キロを実現可能という。

もしこれを実用化することができれば、東京~Woven City間100キロを最短20分ほどで移動できることになる。離着陸時の時間などを考慮しても、1時間あれば移動可能と言うことになる。

ウーブン・バイ・トヨタが本社を構える日本橋室町三井タワーは三井不動産の所有だが、同社は2025年6月、トヨタや朝日航洋、ANAホールディングスと連携し、離着陸場となるバーティポート開発や運営事業など、空のモビリティ産業の創造・発展を加速すると発表している。

物理的に可能かどうかは不明だが、日本橋室町三井タワーの屋上にバーティポートを設置し、Woven Cityまでの飛行実現に向けた取り組みが本格化すれば夢が膨らむ。

第一期ではWoven Cityにバーティポートは建設されていないものと思われるが、次期に向け、空の移動も視野に実証が進むことを期待したい。

【参考】トヨタのエアモビリティ戦略については「トヨタの空飛ぶクルマ戦略は?」も参照。

トヨタの空飛ぶクルマ戦略は?(2023年最新版)

■Woven Cityの概要

フェーズ1は9月にオープン

ウーブン・バイ・トヨタは、モビリティカンパニーへの変革を目指すトヨタが、東富士工場の跡地を活用して一から造成する実証都市だ。本物のまちさながらの生活空間を備えつつ、モビリティに関するあらゆる実証を行うことができるよう設えたまちだ。トヨタはWoven Cityをモビリティのテストコースとして位置付けている。

最終的には約70.8万平方メートルを開発する計画で、まずフェーズ1として約5万平方メートルを開拓し、約360人が居住する規模の街区で実証に着手する。フェーズ1の工事は終了しており、2025年9月にオフィシャルローンチする。

19社が研究開発・実証に参画

Woven Cityで研究開発や実証を行うものはイベンターズ(Inventors)と呼ばれる。8月現在、ダイキン工業、ダイドードリンコ、日清食品、UCCジャパン、増進会ホールディングス、インターステラテクノロジズ、共立製薬の7社と、トヨタ、ウーブン・バイ・トヨタ、豊田自動織機、ジェイテクト、トヨタ車体、豊田通商、アイシン、デンソー、トヨタ紡織、トヨタ自動車東日本、豊田合成、トヨタ自動車九州のトヨタグループ12社の計19社の参画が決定している。このほか、ENEOSや日本電信電話、リンナイも検討を進めている。

【参考】インベンターズの取り組みについては「トヨタWoven City、自動運転式の「移動カフェ」展開か」も参照。

トヨタWoven City、自動運転式の「移動カフェ」展開か

一方、Woven Cityに住む人や訪問するビジターはウィーバーズ(Weavers)と呼ばれる。各社の実証に能動的に参加し、プロダクトやサービスを利用した上でタイムリーにフィードバックを提供する役割を担う。

当面はトヨタ関係者と実証参加企業のみがWoven Cityに住むことができ、入場そのものも限られる予定だ。

現在、トヨタ関係者を中心に住民募集説明会などを開催している段階で、オフィシャルローンチ時の住民規模は関係者とその家族100人程度が想定されている。

視察などの要望もすでにあるようだが、現場で安全に視察を受け入れる体制はまだ整っておらず、原則断っているという。今後、見学や視察の受け入れが可能となった際はWebサイトなどで知らせる。

2026年以降、入居者の一般募集を開始する見込みで、おそらく並行して一般見学などWoven Cityへの入場についても緩和されていくものと思われる。

今しばらくは狭い門戸となりそうだが、広く開放される日は遅かれ早かれやってくるはずだ。Woven Cityまでの道のりをシミュレーションしたり寄り道先を探したりしながら、来たるべき日に備えたい。

【参考】Woven Cityについては「ついに!トヨタWoven City、「住民募集」の説明会開催」も参照。

■【まとめ】近隣スポット交えた小旅行がおすすめ?

東京からは電車で2~3時間、名古屋からは2時間半~4時間超と決して近いとは言えない立地だが、近隣スポットを交え小旅行と捉えれば意外と楽しそうだ。

果たして、第三者がWoven Cityを見学可能になるのはいつごろとなるのか。そのころにはどのような実証がどのような形で行われているのか。期待に胸を膨らませながら待ち望みたい。

トヨタの自動運転技術、すでに「テスラ超え」か ”実はレベル高い”との声多数

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