「新たな旅を、東京で」──。日本進出を計画するグーグル系Waymoが、日本向けの公式サイトを開設した。日本導入の概要、Waymoの自動運転システム「Waymo Driver」の紹介、これまでの実績、よくある質問で構成されるシンプルな作りだ。
日本における自動運転サービスの実用時期についてはまだ名言していないが、どのような手順を踏んで実用化に結び付けていくのか。サービスの展開エリアなどを含め、Waymoの日本進出の動向に迫る。
▼Waymoの日本向け公式サイト
https://waymo.com/intl/jp/waymo-in-japan/
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■Waymoの日本進出
日本交通・GOとパートナーシップを締結
Waymoは2024年12月、タクシー事業者の日本交通、配車アプリを手掛けるGOと提携し、日本に進出することを発表した。同社初の海外進出だ。
Waymoの自動運転車を東京都内に輸送し、日本交通、GOの協力のもと走行実証に着手する計画で、2025年4月にお披露目イベントを開催し、公道実証を開始した。自動運転車は最大25台を導入するようだ。
第一段階としては、米国とは異なる日本の道路交通にWaymoの自動運転システムを適応させる。東京都心の港区、新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、品川区、江東区の7区において、日中及び夜間に走行する。
車両には、事前に渡米してWaymoからトレーニングを受けた日本交通の乗務員が乗車し、手動運転を行う。Waymoは、高精度3次元地図の作成を進めながらプロドライバーの貴重な経験を蓄積し、日本向け技術開発に役立てていくとしている。
今後、どのタイミングでドライバーレス実証に移行し、自動運転タクシーサービスを開始するかなど具体的な時期に関する情報は発表されていないが、米国同様、有人状態でのサービス実証や無人サービス実証といった手順を踏んでいくものと思われる。
Waymoの技術開発力を踏まえると、早ければ2026年中にもサービスインする可能性が考えられる。配車アプリに関しては、同社独自のWaymo Oneを導入する可能性もあるが、おそらくGOを活用するはずだ。
【参考】Waymo×日本交通×GOの取り組みについては「GO&Googleの自動運転タクシー、「運行管理」は誰が?「主導権」を握るのは?」も参照。
公式サイトの「よくある質問」
以下、公式サイトの「よくある質問」の内容を紹介していく。
・いつから利用できますか?
Waymo Driver の安全性を世界中に広めたいと考えていますが、東京ではまだ乗客向けサービスを提供していません。
・いつどこで走行する予定ですか?
東京都内のいくつかの区(港区、新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、品川区、および、江東区を含む)で日中及び夜間に走行する予定です。
・有人手動運転の目的は何ですか?
公道を走る目的は、自動運転技術を現実の条件下で運用して調整することです。これにより、各都市の道路条件の微妙な差異に適応できるようになります。
・車両は単独で走行できますか?
米国では完全自動運転の配車サービスが提供されています。しかし、日本における初期段階では、日本交通の乗務員 が手動でWaymoの車両を運転します。私たちが自動運転を開始する際には、改めて皆様にご案内いたします。
・Waymoの車両は周囲を撮影しているのですか?
Waymo の車両は、周囲の状況を把握するためにカメラ、レーダー、および、LiDARセンサーを使用します。これらの情報は、自動運転ソフトウェアをテストして日本の道路に適応させるために、エンジニアリングチームが利用します。このデータを使用して特定の個人を識別するようには設計されておらず、すべてのデータは日本の法律および規則に準拠した方法で扱われます。
・乗務員は、どのような経験やバックグラウンドを持っていますか?
トレーニングされた日本交通の乗務員(自動運転スペシャリスト)がWaymo Driverを搭載した車両を運転します。自動運転スペシャリストは、日本交通によるトレーニングに加えて、座学と実車での研修を受け、Waymo の運転テストに合格する必要があります。
・Waymoについての詳細や最新情報は、どこで入手できますか?
Waymo に関する最新情報については、Facebook、X、Instagram、the Waypoint(Waymo オフィシャル ブログ)をフォローしてください。
サービス実証は、関係者らの送迎から開始し、アーリーライダープログラムを通じて徐々に対象を拡大していくものと思われる。いち早くWaymoの自動運転タクシーを体験したい方は、逐次公式サイトやSNSをチェックしておいた方が良さそうだ。
ジャガー「I-PACE」を日本に輸送
日本に導入された車両は、米国で自動運転タクシーとして使用されているものと同一のジャガーのBEV「I-PACE」をベースに第5世代のWaymo Driverを搭載した自動運転車両だ。
カメラ、レーダー、LiDARといった各種センサーを併用し、車両の周囲360度、最大300メートル程度の距離まで3Dで描写し、夜間や雨などのさまざまな条件下においても正確な環境認識を可能にしている。
Waymoは現在、アリゾナ州フェニックス、カリフォルニア州サンフランシスコとロサンゼルス、シリコンバレー、テキサス州オースティンで自動運転タクシーを展開しており、1週間当たりの乗車数は20万回、走行距離は160万キロに及ぶ。
実証エリアを含めると北米15カ所以上で公道実証を進めており、公道における累計走行距離は8,000万キロ超という。
100%安全というわけではないが、負傷を伴う衝突事故は、一般の手動運転と比較して78%削減できている。再保険会社スイス・リーとの合同調査では、手動運転と比べ物的損害賠償請求が88%、人身傷害賠償請求が92%減少した。2,530万マイル(約4,000キロ)の走行において、Waymoが関与した物的損害賠償請求は9件、人身傷害賠償請求は2件だったという。
■【まとめ】国内シーンが一変する?
まだ苦手な面も残されているものの、Waymoの自動運転システムはペーパードライバーを上回る水準に達したと言える。この世界トップレベルの自動運転車が日本に上陸するインパクトは非常に大きい。
日本における自動運転は、一部の自動運転バスがやっとドライバーレス走行を開始した段階で、恐る恐る走行している状況だ。
そこにWaymoが登場し、最高水準の自動運転技術を見せつけることで、日本人の多くが抱いている自動運転のイメージが一新されることになる。自動運転に対する社会受容性が大きく向上するとともに、求められるハードルも一気に高まるのだ。
国内開発勢は、良くも悪くものんびり構えているわけにいかなくなる。Waymo同様、都内で自動運転タクシーの実用化を進めているティアフォーは、絶対王者相手にどのような事業戦略で対抗していくのか。こうした点にも注目していきたい。
【参考】関連記事としては「Google/Waymoの自動運転戦略まとめ ロボタクシーの展開状況は?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)