乗って移動することができるスーツケースが話題になっている。
例えば「バンコクのスワンナプーム空港がマリオカートのコースみたいになってきた。タイでは既にスーツケースは引く時代から乗る時代に」というX(旧Twitter)の投稿が249万のインプレッションとなっており、国内外の多くの人が興味を示しているようだ。
これは、中国企業のAirWheelが手掛けるスーツケースだと思われる。日本ではサン・フレイムが日本総代理店として販売を行っている。自動運転ではないものの、バッテリーを搭載し人を乗せて走行することができるという画期的なスーツケースだ。どんな仕組みになっているのだろうか?価格は?
バンコクのスワンナプーム空港がマリオカートのコースみたいになってきた。タイでは既にスーツケースは引く時代から乗る時代に。 pic.twitter.com/nVet12EMWr
— suki yaki🇹🇭→🇯🇵 (@Thai__Suki) June 17, 2024
■空港などで乗って移動できるAirWheel
世界で話題となっているのが、スマートスーツケース「AirWheel(エアホイール)」だ。人が乗って移動することができる。
子どもが乗り、手動で大人が引っ張って移動することができるというキッズ用スーツケースはこれまでにもよく見かけた。しかし電動で動き、しかも大人を乗せて運ぶことができるスーツケースというのは、AirWheelが初なのではないだろうか。なお電動で走行が楽になるというスーツケースは他社でも出しているようだが、人間は乗ることはできない。
AirWheelは一見普通の小型スーツケースのように見えるが、「疲れたら乗ればいい」をキャッチコピーに自走式で最高時速8〜13キロメートルで走行する。空港内の移動範囲は広く、搭乗口に着くまでに疲れてしまうことがある。そんなとき、AirWheelがあると楽に移動できそうだ。ただし公道での走行は不可となる。施設内で各施設のルールに沿って利用する必要がある。
■AirWheelの機能詳細や価格
AirWheelは機内持ち込み対応で耐衝撃性に優れ、世界標準のダイヤル式TSAロックやUSBポート搭載、1〜2泊分の荷物を入れられる容量があるなど、スーツケースとしての十分な機能も備えている。
バッテリーは約2時間でフル充電し、人を乗せて移動できる。ハンドルにブレーキレバーとアクセルレバーがあり、自在に操作可能だ。バックもできるという。アプリと連携し、速度設定やリモコン操作でスーツケースを呼び寄せることもできる。気になる耐荷重は110キログラムだ。
2種類のラインアップがあり、機能は少し異なる。「SE3S」はサイズ550×360×240ミリで容量20リットル、車両重量は約9.4キロ、最高時速13キロとなっている。このタイプはハンドルが前に出て変形し、その間に人間がまたがるような仕組みになっている。参考上代(※メーカーが希望している販売価格のこと)は税込み13万2,000円。
「SE3MiniT」は、サイズ575×385×250ミリ、容量26リットル、車両重量約7.2キロとなっている。最高時速は約8キロメートルで、ハンドルを上に出すモデルになる。参考上代は税込み11万円。
▼AirWheel|株式会社サン・フレイム
https://sunflame.jp/wp-content/uploads/2024/02/2024-AirWheel-No1_両面-1.pdf
【参考】関連記事としては「自動運転の「AIスーツケース」、視覚障害者を誘導」も参照。
■いずれは自動運転化も?
空港を移動できるパーソナルモビリティとしては、自動運転車いす「WHILL」が代表的だ。自動走行し、利用後は自動で戻ってくることができる。
カナダでは、自動運転のベビーカーが開発されている。動く家具や植栽もこれまでに発表されている。視覚障がい者を誘導できるスーツケースの開発も進められている。
AirWheelは移動の便利さもあるが、話題性や新しいおもちゃ・ギア的な感覚で使ってみたいと思う人も多そうだ。そしてAirWheelもそのうち自動運転化されるかもしれない??
【参考】関連記事としては「ある夫婦が「自動運転ベビーカー」開発!3,800ドルで販売」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)