日本初!自動運転車がドローンの「離着陸場」に!

KDDIなどがラストワンマイル物流実証

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出典:KDDIプレスリリース

KDDIと測量や高精度位置情報を手掛けるアイサンテクノロジーはこのほど、自動運転車からドローンが離着陸し、ラストワンマイルの物流を行う実証に成功したことを発表した。

この実証は2023年3月21日に長野県塩尻市の中山間地域で行われた。ドローンが移動する自動運転車の位置に合わせて離着陸することに成功したのは、日本初だという。

■新しい高精度位置測位技術が貢献

今回の実証は、ラストワンマイルの最終拠点となる自動運転車が、ドローンが飛び立った場所から移動するケースや、違う自動運転車に着陸しないといけないケースを想定し行われた。

荷物を載せたドローンが自動運転車に接続された荷台の上から飛び立ち、中山間地域を飛行したのち、違う場所に移動した自動運転車の荷台へ帰還するというルートになっている。

自動運転車の走行とドローンの運航を統合管理する「協調制御プラットフォーム」や、高精度位置測位技術を活用し、自動運転車の位置情報を参照しながらドローンを逐次制御することで、ドローンが正確に自動運転車上に着陸できることを確認できたという。

さらに、ドローンにはセルラー通信と衛星通信の両方が利用可能な通信モジュールを搭載し、セルラー通信が利用不可のエリアでは衛星通信に切り替えることで、協調制御プラットフォームとの接続性を保ったまま自動飛行をすることができた。

なおドローンには、新しい高精度位置測位の方式「PPP-RTK方式」を活用した。これにより、平均してセンチ単位でドローンの位置を把握することが可能となり、自動運転車への着陸を実現したという。

■自動運転車とドローンの組み合わせに注目

今後は協調制御プラットフォームの機能を拡張し、荷物配送計画から配送・帰還までを全て自動化できるようにする。

具体的には、複数台の自動運転車とドローンの協調制御を行う機能や、自動運転車やドローンが取得したカメラ映像や点群データを集約し、高精度な3次元地図の生成・更新を行う3次元地図基盤、3次元地図基盤を活用したドローン飛行経路の自動生成機能が搭載されるようだ。

KDDIとアイサンテクノロジーは2030年ごろまでに、都市部からの大規模な配送は自動運転車、陸上からの輸送が困難な経路ではドローンで配送を行うといった未来の荷物配送サービスの社会実装を目指すとしている。

自動運転車とドローンという、次世代モビリティ・製品を代表する2つを組み合わせた試みに今後も期待したい。

【参考】関連記事としては「ドローンの「レベル4自律飛行」見据え、JALなどが長期実証」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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