次世代搬送ソリューションを開発する株式会社LexxPluss(本社:神奈川県川崎市/代表取締役:阿蘓将也)は2023年3月20日までに、約14.5億円の資金調達を実施したことを発表した。
シリーズAラウンドとしてDRONE FUNDやSBIインベストメントなどが出資したもので、今回を合わせた累計調達額は18億円になるという。LexxPlussはこの資金調達により、米国市場に進出する。また国内外のパートナー企業の拡大を目指すという。
■米国法人設立で事業拡大を加速
LexxPlussは、2023年2月にニュージャージー州ニューアークに米国法人を設立している。
米国では製造や物流分野での人材不足が深刻な問題となっている。米国での2021年の自律走行搬送ロボット市場は、日本の約30倍の7億6,200万ドル(約1,000億円)で、2028年までには32億ドル(約4,200億円)規模まで拡大する見込みだという。
今後さらに自動搬送ソリューションのニーズが高まる米国市場に照準を合わせ、LexxPlussは製品展開をスタート。また、パートナー企業は現在30社だが、グローバル展開の拡大により、今後2年間で100社にすることを目指すようだ。
製造拠点も国内1カ所を3カ所に増やし、次世代自動搬送ロボット「Hybrid-AMR」の生産規模を年間1,500台に拡大する予定だという。
■LexxPlussのHybrid-AMRの性能は?
LexxPlussは、2020年3月に元ボッシュ社員の阿蘓氏が創業した。Hybrid-AMRのほか、ロボット走行管理システム「Konnectt」や自動移載システム「Luft-Conveyor」の開発を手掛けている。
Hybrid-AMRについて報道発表では「自動運転と同様に自律的に障害物を検知・迂回できるAMR技術(AMR:自律走行搬送ロボット)と繰り返し精度と作業スピードを保証できるAGV技術(AGV:無人搬送車)を併用できる日本で唯一の自動搬送ロボット」と説明されている。
693×645×227ミリの小型サイズながら最大牽引量500キロ、最大積載量300キロとなっている。回転半径38センチで、狭い工場や倉庫内でも安全かつスピーディーに走行可能だ。すでに佐川急便の次世代型大規模物流センターでは、Hybrid-AMRが2022年12月から12台導入されている。
ちなみにそのHybrid-AMRを一括管理するのがKonnecttで、スマートフォンやタブレットなどで最大50台を1度に管理できるという。
【参考】関連記事としては「搬送自動化に貢献!LexxPluss、佐川急便に自動運転ロボを導入」も参照。
https://twitter.com/jidountenlab/status/1604604923076911106
■米国でどんな成果をあげるか注目を
LexxPlussは、2022年6月に「Open Source Industrial Roboticsプログラム」を開始し、ロボティクス・オートメーション製品の技術情報について、法人のパートナー向けに無償公開を行っている。また2022年2月には、海外投資家とのマッチングプログラム「JETRO RAISE」に採択されたことを発表した。
国内でさまざまな取り組みを行ってきたLexxPlussが、米国でどんな成果をあげていくのか、今後もウオッチしていきたい。
【参考】関連記事としては「自動運転企業LexxPluss、海外投資家からビッグ資金調達も!?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)